ニコンサロン

ニコンサロン：日本の写真文化を彩るギャラリーの歴史

ニコンサロンは、株式会社ニコンが運営する写真ギャラリーとして、日本の写真界に長年にわたり貢献してきました。1968年、ニコン創立50周年を記念して銀座に開設されたのが始まりです。以来、数々の著名な写真家の作品展を開催し、写真文化の発展に大きく貢献しています。

銀座から全国へ、そして新たな拠点へ

最初のサロンは、銀座三丁目に開設され、記念すべき第1回写真展は木村伊兵衛氏の写真展でした。その後、1971年には新宿、1974年には大阪にもサロンを展開、全国規模での活動を開始します。2006年には銀座のサロンを七丁目に移転。この移転を機に、セミナールームを併設したショールームが誕生し、浅草にあったプロサービスセンターも統合されました。さらに、2017年には銀座と大阪の2会場体制となりますが、2020年には「ニコンプラザ東京」内に集約され、現在に至っています。

写真界を牽引する賞

ニコンサロンでは、優れた写真作品を表彰する賞も設けられています。毎年、年間を通して開催された写真展の中から最も優れた作品に贈られる「伊奈信男賞」は、サロンの歴史と伝統を象徴する賞です。また、若手写真家の育成を目的とした「Juna 21」という公募展も開催され、その最優秀作品には「三木淳賞」が贈られています。2019年からは、三木淳賞の年齢制限が撤廃され、新進気鋭の写真家への支援をより強化する体制となりました。総額300万円もの制作支援金が授与され、将来を担う写真家の育成に力を入れています。

写真史に残る名展の数々

ニコンサロンでは、これまでに多くの著名な写真家の作品展が開催されてきました。その中には、日本の写真史に大きな足跡を残した展覧会も数多く含まれています。例えば、1976年の荒木経惟氏による「わが愛・陽子」、1977年の石内都氏による「絶唱-横須賀ストーリー」、1977年の須田一政氏による「風姿花伝」、1978年の深瀬昌久氏による「洋子」、そして1996年の砂守勝巳氏による「漂う島　とまる水」など、数多くの伝説的な写真展が開催され、来場者たちを魅了してきました。これらの展覧会は、日本の写真文化の発展に大きく貢献するとともに、ニコンサロンの地位を確固たるものにしました。

ニコンサロンの未来

ニコンサロンは、半世紀以上にわたり、日本の写真文化を支え、発展させてきました。これからも、新たな才能の発掘や育成、そして写真文化の普及に貢献していくことでしょう。数々の名だたる写真家たちを輩出し、日本の写真界に多大な影響を与えてきたニコンサロンの今後の活動にも期待が高まります。ニコンサロンは、単なる写真ギャラリーではなく、日本の写真文化を語る上で欠かせない存在なのです。

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