ニック・フロスト

概要

ニック・フロスト（NicK Frost, 1972年 3月28日 - ）は、イギリスを拠点に活動する多才なエンターテイナーです。コメディアン、俳優、そして脚本家として知られ、特に映画監督エドガー・ライト、および長年の友人である俳優サイモン・ペッグとの協業によって国際的な評価を確立しました。彼らの共同作品は、コメディと多様なジャンルを巧みに融合させた独自のスタイルで多くの観客を魅了しています。

経歴

フロストはイングランドの首都ロンドンで生まれ育ちました。キャリアをスタートさせる前は、生活のためにレストランでウェイターとして働いていました。彼の人生の転機となったのは、イギリスのテレビ局チャンネル4で放送されたカルト的人気を誇るコメディシリーズ『スペースド』への出演です。この作品での演技が注目を集め、一躍人気者としての地位を確立しました。この『スペースド』がきっかけとなり、後の彼のキャリアにおいて最も重要なパートナーとなるエドガー・ライト（シリーズ監督）やサイモン・ペッグ（シリーズ脚本・主演）との関係が築かれました。

彼の名を世界に知らしめたのは、エドガー・ライト監督、サイモン・ペッグ脚本・主演による映画『ショーン・オブ・ザ・デッド』（2004年）です。このゾンビコメディ映画で、フロストはペッグ演じる主人公の親友エドを演じ、そのコミカルで愛すべきキャラクターで観客から絶大な支持を得ました。以降、彼らは「スリー・フレーバーズ・コルネットトリロジー」として知られる『ホット・ファズ俺たちスーパーポリスメン!』（2007年）、『ワールズ・エンド酔っぱらいが世界を救う！』（2013年）といった一連のコメディ映画で再びタッグを組み、いずれも批評的・商業的に成功を収めました。これらの作品において、フロストはサイモン・ペッグ演じる主人公の相棒や友人といった重要な役柄を演じ、物語に不可欠な存在感を放っています。また、トリロジー以外にも、彼らはアニメーション映画『タンタンの冒険/ユニコーン号の秘密|タンタンの冒険_ユニコーン号の秘密』（2011年）や、サイモン・ペッグが主演したSFコメディ映画『宇宙人ポール』（2011年）などで共に仕事をしており、『宇宙人ポール』では共同で脚本も執筆しています。このように、フロストは俳優としてだけでなく、脚本家としても才能を発揮しています。

2017年には、親友であるサイモン・ペッグと共に自身の映像制作会社「Stolen Picture」を設立しました。これは、彼らが独自の視点から物語を創造し、より主体的に作品をプロデュースしていくための拠点となっています。

人物

プライベートでは、地元ロンドンに本拠地を置くサッカークラブ、ウェストハム・ユナイテッドFCの熱心なサポーターとして知られています。また、自身はラグビーの経験者でもあります。かつて、イギリスとスウェーデルのハーフであるマリアンジェラ・フロスト（Mariangela Frost）と結婚し、2011年には息子をもうけています。

日本語吹き替え

ニック・フロストが出演する作品の日本語吹き替えにおいては、彼が広く知られるきっかけとなった映画『ショーン・オブ・ザ・デッド』以降、声優の茶風林が担当することが最も多く、事実上の専属（フィックス）声優となっています。茶風林はフロストの持つ独特のユーモアとキャラクター性を的確に捉え、日本語版の魅力を高めています。しかし、茶風林が担当する以前や、一部の作品では、志村知幸、長嶝高士、山野井仁、遠藤純一といった他の声優が吹き替えを担当した例もあります。

ニック・フロストは、その親しみやすいキャラクターと確かな演技力、そして長年のパートナーとの強固な協力関係を通じて、イギリスコメディ界のみならず、世界の映画・テレビ界において確固たる地位を築いています。今後の彼のさらなる活躍が期待されています。

（フィルモグラフィ、脚注、関連文献、外部リンクについては、提供情報にはリストのみで詳細は含まれていないため、本項目では省略します。）

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