ニッチロー

ニッチロー：イチローを愛し、イチローを演じる男

ニッチロー（本名：今村健太）は、イチローのモノマネで広く知られる日本のものまね芸人、お笑い芸人です。彼の芸は単なる外見の模倣に留まらず、イチローへの深い愛情とリスペクトに根ざしています。

生い立ちと芸の道へ

1978年、長野県飯田市に生まれたニッチローは、幼少の頃から野球好きでしたが、意外にも柔道、ハンドボール、サッカーに打ち込みました。高校卒業後、上京して東放学園専門学校で放送芸術を学び、卒業後はカフェで勤務。多くの芸能人や業界関係者と接する中で、その容姿がイチローに似ていると言われるようになり、2009年頃から路上でイチローのモノマネを始めました。

初期の頃はイチローモデルのTシャツを着てバットを構えるだけでしたが、その完成度の高さから多くの人が足を止めました。その後、「はねるのトびら」への出演をきっかけに、本格的に芸能活動を開始。会社を退職し、2011年からはプロの道へ進みました。

シアトルでの騒動と芸名の変遷

2011年夏には、シアトル・マリナーズの試合観戦中にファウルボールを誤って捕球し、警備員に連行されるというハプニングに見舞われましたが、球団社長の粋な計らいで事なきを得ました。同年、「とんねるずのみなさんのおかげでした」の「細かすぎて伝わらないモノマネ選手権」で準優勝を果たし、その名を広く知らしめました。

2014年には、「ニッチロー'」に改名。アポストロフィに様々な意味を込めたこの芸名で、活動の幅を広げていきました。2021年には再び「ニッチロー」に改名しています。

芸へのこだわりと家族

ニッチローは、イチローに近づくために、トレーニングも欠かしません。初動負荷トレーニングや体幹トレーニング、ランニング、素振りなど、ストイックなまでに自分を追い込んでいます。また、朝カレーを食べたり、キリン一番搾り生ビールを愛飲するなど、生活習慣もイチローに近づけようと努力しています。

私生活では、2017年に一般女性と再婚し、2児の父となりました。長男にはイチローから一字取って命名するなど、その愛情は深い。

多彩な活動と地元愛

ニッチローは、テレビ出演や舞台だけでなく、CM出演や楽曲制作も手掛けています。また、地元・飯田市の「飯田焼肉大使」に任命されるなど、地域振興にも貢献しています。自身が監修した焼肉店「南信州すずり焼肉SUZURO」もオープンさせています。

イチローへのリスペクト

イチローが引退した際には、「イチロー選手と同じ時代を生きている事に感謝してますし、イチロー選手のモノマネが出来て本当に幸せです。一生をかけてモノマネをしていきたいです」とコメント。その言葉からは、イチローへの深い敬意と、芸に対する真摯な姿勢が伝わってきます。

ニッチローは、単なるモノマネ芸人ではなく、イチローへの愛とリスペクトを体現するエンターテイナーなのです。

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