ニャロメ

ニャロメ

ニャロメは、著名な漫画家赤塚不二夫が創作したフィクションのキャラクターで、彼の作品『もーれつア太郎』に初めて登場しました。ニャロメは猫の姿を持ちながらも二本足で歩き、人間の言葉を話すというユニークな存在です。その口癖「ニャロメ！（この野郎め）」は、彼の怒りっぽい性格を象徴しています。自らを「ニャンゲン」と称し、猫としての扱いに対しては強い反発を示す一方で、純粋さや優しさを持ち合わせています。いたずら好きであり、時には他者からのいたずらを楽しむこともあります。知能は幼稚園児程度ですが、簡単な計算や文字を読み書きできる点で一般的な猫よりも知的です。ニャロメの誕生日は昭和16年（1941年）7月17日という設定で、赤塚作品の中で彼の出自が明かされています。

赤塚不二夫作品におけるニャロメの役割

ニャロメは『もーれつア太郎』だけでなく、赤塚不二夫のさまざまな作品にゲストキャラクターとして頻繁に登場します。彼はア太郎の町の空き地で暮らす野良猫として描かれ、しばしば人間の女性に結婚を請うが、毎回失敗するというコミカルなエピソードが展開されます。

『もーれつア太郎』

この作品では、ニャロメは中心的存在となり、ア太郎や他のキャラクターたちとのドタバタ劇を繰り広げました。ニャロメの独特な個性とユーモアは、多くの読者に愛され、作品自体の人気を高める一因となりました。

『おそ松くん』

『おそ松くん』では、ニャロメは普通の野良猫のような一面も持ちながら、言葉を話したり、二本足で歩いたりするシーンが見られます。この作品でも彼は多様なキャラクターと共演し、特に「おミャわりさんとセーラー服」では重要な役割を果たしました。

さまざまな展開

ニャロメはまた、『花の菊千代』や『ニャロメ』といった他の作品にも登場し、その都度異なる設定やドラマが繰り広げられます。特に、単行本『夜の赤塚不二夫』ではニャロメが主人公として新たな物語が展開され、バカボンが拾った子猫が実は彼の子供であったことが語られます。

ニャロメの関連商品

1970年には、大阪万博を記念して「ニャロメの万博びっくり案内シリーズ」が発表され、ニャロメと赤塚作品のキャラクターたちが各パビリオンやアトラクションを紹介する内容とされました。このシリーズは、彼の人気をさらに広めることにつながりました。

また、1981年には『ニャロメのおもしろ入門シリーズ』が出版され、数学や科学をテーマにした教育的な内容が展開されました。特に『ニャロメのおもしろ数学教室』は、テレビでも放送されるなど、多くの人々に親しまれました。

ニャロメの文化的影響

ニャロメの口癖は、そのユニークさから流行語となり、さまざまなメディアに影響を与えました。また、ニャロメにちなんだキャラクターや製品も存在し、彼の人気は今もなお健在です。ニャロメは一つの文化的現象となり、多くの人々に愛され続けています。

モデルとなった猫

赤塚不二夫の小学校時代の友人たちは、ニャロメのモデルとなった猫のエピソードを語ります。この猫は少年たちによって池に石を投げつけられた後、数日後に彼らの前に姿を現し、毅然とした態度で見つめ返したことから、少年たちの尊敬を集めたと言われています。

ニャロメは、ただのキャラクターを超え、赤塚不二夫の豊かな創作活動の一部として今なお多くの人々の心に親しまれています。

もう一度検索