ニューイヤー星調査行

ニューイヤー星調査行

『ニューイヤー星調査行』は、藤子不二雄（藤本弘）によって1981年に発表されたSF短編漫画であり、後にOVA化もされた作品です。地球から遥か6万光年離れた辺境の星「ニューイヤー」を舞台に、宇宙文明の起源を探る壮大な物語が展開されます。

あらすじ

物語の舞台は、銀河系の果てにあるロルカル系第3惑星「ニューイヤー」。2133年に探査隊が足跡を残したものの、辺境の地であったため長らく忘れ去られていました。しかし、バンボルグ博士はニューイヤー星に眠る神話に着目し、「全ての惑星の祖先がこの星から旅立った」という大胆な仮説を立てます。

2385年、バンボルグ博士は3人の仲間と共にニューイヤー星へと出発。5ヶ月間の調査で、友好的な住民に支えられながら調査は順調に進んでいるかに見えました。しかし、星に隠された秘密は、彼らの想像を遥かに超えるものだったのです。

登場人物

助手: 博士に同行する若い青年。熱意を持って調査に臨みます。
バンボルグ博士: 白髪と白い髭が特徴的な学者。ニューイヤー星起源説を唱え、調査隊を率います。
イケガミ博士: 博士の仮説に当初は賛同していましたが、次第に懐疑的になっていきます。
ロッシュ博士: 地質学者。報酬目当てで参加しますが、職務は真面目に遂行します。
ニューイヤー星の住民: おとなしい性格で、巨大な高層住居に集団で暮らしています。採集生活を営み、独自の文化を持っています。
はずれ山のじいさま: 部族の最年長者。星に伝わる神話や言い伝えを語ります。
ニューイヤー星の少女: 助手の青年に親切にする心優しい少女です。

アニメ版

『藤子・F・不二雄のSF短編シアター』の一作としてOVA化。原作の雰囲気を活かしたキャラクターデザインが特徴です。ラストシーンには、原作にはないオリジナル場面とナレーションが追加されています。

キャスト

バンボルグ博士 - 佐藤正治
トミオ - 飛田展男
イケガミ博士 - 堀之紀
ロッシュ博士 - 二又一成
ニューイヤー星少女 - 富沢美智恵
ナレーション - 屋良有作

スタッフ

監督：出崎哲
脚本：今泉俊昭
キャラクターデザイン、作画監督：清水恵蔵
音楽：宮原恵太
アニメーション制作：マジックバス

主題歌

* エンディングテーマ:『LOVE & PEACE』 歌：TWIGGY

作品の魅力

『ニューイヤー星調査行』は、辺境の星を舞台にした壮大なスケール感、文明のルーツを探るミステリー、そして異星人との交流といったSFの魅力が詰まった作品です。藤子不二雄ならではの温かい視点と、哲学的なテーマが融合した本作は、今なお多くのファンを魅了し続けています。漫画とアニメ、それぞれのメディアで異なる表現がなされているので、見比べてみるのも面白いでしょう。

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