ニューストレイン出発進行

『ニューストレイン出発進行』：子供にも届くニュースバラエティ番組

1980年、日本のテレビ界に新たな報道番組が登場しました。東京12チャンネル（現・テレビ東京）で放送された『ニューストレイン出発進行』です。同年1月から9月26日まで、平日夕方の17時30分から17時55分までの放送時間は、学校から帰ってきた子供たちにとって、まさにニュースに触れる最適な時間帯でした。

この番組は、それまで同局で放送されていた『こちらニューススタジオ』（17時30分枠）と『ニュースキッド715』（19時15分枠）という2つの報道番組を統合する形で誕生しました。単なるニュース報道にとどまらず、子供にも理解しやすい内容を目指した、いわばニュースバラエティ番組だったと言えるでしょう。番組冒頭では、子供たちにも分かりやすいニュースを届けるという番組のコンセプトが明確に謳われていた点が特徴的です。

『ニューストレイン出発進行』というタイトルからは、勢いのある列車が旅立つような、ダイナミックなイメージが伝わってきます。番組のオープニングでは、フランク・ミルズの軽快な曲『Music Box Dancer』がBGMとして使用されており、子供たちの好奇心を刺激する、明るく楽しい雰囲気作りに一役買っていました。この音楽は、番組の印象的なアイキャッチとして視聴者の記憶に深く刻まれたことでしょう。

番組を支えたキャスター陣にも注目です。メインキャスターを務めたのは、小倉智昭氏。当時、東京12チャンネルのアナウンサーとして活躍していました。小倉氏を支えたのは、サブキャスターの宮崎絢子氏（当時、東京12チャンネルアナウンサー）です。落ち着いたトーンでニュースを伝え、視聴者の信頼を得ていたことでしょう。さらに、タレントの沢木寿里氏がリポーターとして番組に華を添えていました。

『ニューストレイン出発進行』は、東京12チャンネルだけでなく、岐阜テレビ、近畿放送テレビ（現・KBS京都。自社制作番組『エリアKBS』に内包）、サンテレビでも放送されました。これは、番組の人気を示すものであり、地域を問わず多くの視聴者から支持されていたことを物語っています。番組は、子供たちの目線に立ったニュースの伝え方、親しみやすいキャスター陣、そしてキャッチーなBGMなど、多くの要素が相まって、夕方の時間帯に子供たちを魅了しました。

1980年9月26日をもって放送が終了し、後番組には『ニュースTODAY』が編成されました。しかし、『ニューストレイン出発進行』が子供たちに向けて放送された、明るく親しみやすいニュース番組だったという事実は、日本のテレビ史に小さな足跡を残したことでしょう。この番組は、単なるニュースの伝達にとどまらず、子供たちがニュースに興味を持つきっかけを作った、重要な役割を果たしたと言えます。その功績は、今もなお語り継がれるべきでしょう。

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