ニューストン

ニューストン（水表生物）とは

ニューストン、または水表生物とは、水生生物における生活様式の一つで、水面、水面直下、あるいは大気と水域の境界に位置する表面マイクロレイヤーに生息する生物群のことを指します。これらの生物は、海、河口、湖、川、池など、様々な水域で見られます。水面に浮かぶものだけでなく、水面と接するごく浅い層に生活するものも含まれ、その生態は多岐にわたります。

多様な生物群

ニューストンは、動物と植物の両方を含みます。動物の例としては、水面を滑るように移動するアメンボやミズスマシ、浮遊性の貝であるアサガオガイ、そして毒を持つことで知られるカツオノエボシなどが挙げられます。植物の例としては、水面を漂う流れ藻や、特定の条件下で光るヒカリモなどが挙げられます。これらの生物は、それぞれ独自の生態系を形成し、水面という特殊な環境に適応しています。

表面マイクロレイヤー

ニューストンが生息する場所として特に重要なのが、水面マイクロレイヤーです。この層は、水面と大気の境界に形成されるごく薄い層で、様々な有機物や微生物が集積しています。このマイクロレイヤーは、ニューストンにとって食物源となるだけでなく、生息場所としても重要です。この微小な環境には、肉眼では捉えにくい小さな生物も多く生息しており、水面生態系を支える重要な要素となっています。

用語の由来と歴史

「ニューストン」という言葉は、ギリシャ語で「泳ぐ」を意味する「neustos」に、プランクトンと同様の接尾語「on」を組み合わせたものです。この用語は、1917年に生物学の文献に初めて登場しました。

一方、「プルストン」という用語は、ギリシャ語で「航海する」や「浮かぶ」を意味する「plein」に由来し、ニューストンよりも早い1909年に使用され始めました。

過去には、ニューストンとプルストンの区別を試みる動きもありましたが、現在では一般的には両用語はほぼ同じ意味で使われています。ただし、ニューストンの方がプルストンよりも頻繁に使用される傾向があります。

まとめ

ニューストンは、水面という独特な環境に生息する生物群であり、その生態は非常に多様です。水面を滑走する昆虫から、水面を漂う植物まで、様々な生物がこの環境に適応して生きています。また、表面マイクロレイヤーは、ニューストンの生息と生存に不可欠な役割を果たしています。これらの生物を理解することは、水生生態系の複雑さを知る上で非常に重要です。

関連情報

• - 関連項目

- 生活型 (水生生物)

• - 関連書籍

- 海の生態学 生態学研究シリーズ3（沼田真監修，時岡隆・原田英司・西村三郎共著），築地書館

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