ニュースワイド (NHK大阪放送局)

ニュースワイド640 / ニュースワイド630

NHK大阪放送局が制作し、1976年4月5日から1988年4月1日にかけて平日夕方の時間帯に近畿地方向けに放送された地域密着型のニュース番組です。本項目では、改題後の『ニュースワイド630』についても記述します。

番組の誕生と変遷

本番組は、NHKにおける地域ニュース枠の改編に伴い誕生しました。それまでの地域ニュースは、午後7時の全国ニュースに続いて19時台後半に短時間放送される形式が一般的でしたが、1976年度からは夕方の時間帯に繰り上げ、放送時間を拡大する方針が取られました。近畿地方ではその新しい枠、すなわち18時40分開始の20分間を担う番組として、『ニュースワイド640』がスタートしました。

番組開始当初の『ニュースワイド640』は、18時40分から19時00分までの20分番組でした。その後、1982年4月5日には放送時間が10分拡大され、18時30分からの30分番組となりました。これに合わせて、番組名も放送開始時刻を示す形で『ニュースワイド640』から『ニュースワイド630』へと改められました。

なお、本番組が放送されていた期間中の1980年4月7日からは、朝の全国向け情報番組として『NHKニュースワイド』が開始されており、近畿地方では番組終了まで、朝と夕方にそれぞれ「ニュースワイド」を冠する番組が放送される状態が続きました。

内容と特徴

番組では、その日の主要なニュースを中心に据えつつ、地域に根ざした様々な情報を網羅しました。具体的には、シリーズ企画、スポーツ、文化・芸能に関する話題、そして視聴者の暮らしに役立つ生活情報など、多岐にわたる内容をコンパクトにまとめて提供しました。

また、この番組の特徴の一つとして、それまでのニュース形式とは異なり、キャスターがスタジオに登場し、視聴者に向けて直接ニュースを語りかけるスタイルが採用されたことが挙げられます。これは、視聴者との距離を縮め、より親しみやすい番組にするための試みでした。

企画ネット形式

『ニュースワイド640』および『ニュースワイド630』は、番組タイトル自体は近畿2府4県で共通でしたが、実際の内容は府県ごとに異なる、事実上の企画ネット番組形式が採られていました。NHK大阪放送局が制作する共通部分に加えて、大阪府以外の各放送局（京都、兵庫、奈良、滋賀、和歌山）では、それぞれの地域独自のニュースや情報を盛り込んだ内容に差し替えられて放送されていました。例えば、兵庫県では「ひょうご640」や「ひょうご630」として、和歌山県では「ニュースワイド640わかやま」や「630わかやま」といった名称で実質的に放送されていました。この地域別差し替えのスタイルは、形を変えながらも現在この時間帯に放送されている地域情報番組にも引き継がれています。

番組を彩る要素

番組のオープニングやテーマソングも、その時代の雰囲気を反映していました。『ニュースワイド640』時代には、東京のNHK放送センターで放送されていた『ニュースセンター640』のテーマソングと共通のオーケストラ演奏が使用されていました。

オープニング映像は、番組名の改題とともに変化しました。『ニュースワイド640』時代は、画面左下に番組ロゴが表示され、その日の各府県の注目ニュース映像を交えた構成でした。『ニュースワイド630』に改題されてからは、大阪放送局が制作した近畿地方の衛星画像や地図のグラフィックが統一的に使用されるようになりました。

主な出演者

番組の顔として、複数のキャスターとアシスタントが担当しました。

キャスター:
穴水重雄
明石勇
松川洋右
児玉志誠
井上善夫
伊丹賢太郎
植木彰（1984年9月まで）
小谷伝（1984年10月以降）
佐藤誠

アシスタント:
山本佳子
田中裕子
川崎京子
高橋由美
前島園佳

『ニュースワイド640』および『ニュースワイド630』は、1988年4月1日の放送をもって終了しました。この番組は、近畿地方における夕方の地域ニュースの礎を築き、その後の番組に多くの要素を引き継いでいった重要な存在でした。

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