ニュース専門放送局

ニュース専門放送局の概要

ニュース専門放送局とは、24時間体制でストレートニュースや報道番組を提供する放送局を指します。これらの局は速報性を重視し、視聴者に最新の情報を迅速に届ける役割を担っています。

1. 歴史的背景

ニュース専門放送局の源流は、1976年のアメリカにさかのぼります。この年、テッド・ターナーがアトランタで運営していたTBSにおいて、通信衛星を利用したスーパーステーション事業を始めました。この成功に触発され、1980年6月1日、CNNが開局しました。当初は24時間ニュースを流すのは難しいとの予想もありましたが、その後の大事件報道で急速にその必要性が認識されるようになりました。

特に、1981年のレーガン大統領暗殺未遂事件や1986年のチャレンジャー爆発、1991年の湾岸戦争では、CNNの速報性と信頼性が高く評価され、幅広い視聴者を獲得しました。この成功に連鎖するかたちで、280年には他のニュース専門局も登場するようになり、報道競争が繰り広げられました。

2. 日本のニュース専門放送局の発展

日本では1987年に、ニュース専門放送局として初めて『NTVCABLENEWS』が開局しました。その後、1990年には経済ニュースに特化した『日経サテライトニュース』が登場します。この頃、日本のケーブルテレビの事情は難視聴地域や共同受信設備が中心で、新しい専門放送局の受け入れは手探り状態でした。

1992年にCSアナログ放送プラットフォームが始まり、一般個人にも放送が提供されましたが、依然として普及率は低めでした。その後、1996年に『SKY PerfecTV!』のサービスが開始され、多様なニュース専門局が日本市場に進出します。中でも、CNBCやFOXニュース、BBCなどの局が日本での放送を開始し、視聴者の選択肢が広がりました。

さらに、1998年には『JNNニュースバード』が開局。2015年にはフジテレビが『ホウドウキョク』を開始しましたが、これは放送後にインターネット配信へシフトしています。2016年にはAbemaNewsが開局し、インターネットを通じた新しいニュースの形態を提供しています。

3. NHKの取り組み

日本放送協会（NHK）も、ニュース専門局運営への試みを行いました。1991年には、国際放送の取り組みとしてGNN（Global News Network）の構想が発表されましたが、実現には至りませんでした。その後もBS1が24時間ニュース専門チャンネルへの改編を検討しましたが、最終的に一般放送の域を出ることはできていません。

4. ニュース専門チャンネルの特徴

ニュース専門放送局では、視聴者に情報をいち早く伝えるため、ニュースティッカーと呼ばれる速報システムが採用されています。このシステムにより、画面下部に最新のニュースヘッドラインが常に表示される形が一般的です。これにより、視聴者は必要な情報を逃さずに受け取ることが可能となります。

5. 各地域のニュース専門局の動向

北米、南米、アジア、オセアニアに至るまで、各地域で様々なニュース専門局が存在します。例えば、南米ではCNNエスパニョールやGlobovisionなどがあり、アジアではNHKの国際ニュースチャンネルが知られています。オーストラリアではABC News 24が人気を集めています。

このように、ニュース専門放送局は世界中で発展を続け、ますます重要な情報源としての役割を果たしています。

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