ニューヨーク・ストーリー

ニューヨーク・ストーリー (New York Stories)

『ニューヨーク・ストーリー』は、アメリカの名監督であるマーティン・スコセッシ、フランシス・フォード・コッポラ、ウディ・アレンによるオムニバス映画で、1989年に公開されました。この作品は、彼らの作品の中でも特にニューヨークという都市の魅力を表現したもので、個々のストーリーがそれぞれの監督のスタイルで描かれています。

公開情報

本作は1989年3月1日にニューヨークで初公開され、続いて全米で10日間にわたり上映されました。その後、日本でも同年9月に公開され、多くの観客に親しまれました。

ストーリー概要

本作は3つのエピソードから構成されています。各話は異なる監督によって手掛けられ、ニューヨークという背景の中で、人間関係や心の葛藤が描かれています。

第1話: ライフ・レッスン (Life Lessons)

監督はマーティン・スコセッシ。主人公は売れっ子画家ドビー（ニック・ノルティ）。彼はマンハッタンのイーストサイドでアトリエを構え、個展を控えていますが、制作が進まないことに苛立っています。彼の恋人で助手のポーレット（ロザンナ・アークエット）との複雑な関係が影響しており、彼女は他に恋人がいるため、ドビーとの関係が一筋縄ではいきません。周囲のアート関連の男たちが彼女の周りに集まり、ドビーは次第に神経過敏になっていく様子が描かれています。

第2話: ゾイのいない人生 (Life Without Zoe)

こちらはフランシス・フォード・コッポラが監督を務めます。セレブリティの少女ゾイ（ヘザー・マコーム）は、高級ホテルでリッチな生活を送りながらも、学校でアラブの王子アブー（セリム・トリリ）に恋をします。しかしホテルが強盗に入られ、彼女の父親クラウディオ（ジャンカルロ・ジャンニーニ）が大切にしていたダイヤのイヤリングがゾイのおかげで守られます。ゾイは両親の仲を取り持ちながら、イヤリングを戻すために奔走します。

第3話: エディプス・コンプレックス (Oedipus Wrecks)

ウディ・アレンが監督を務めるこの話では、弁護士シェルドン（ウディ・アレン）が、未だに子ども扱いする口うるさい母親（メイ・クエステル）に悩まされている様子が描かれます。彼は3人の子持ち女性リサ（ミア・ファロー）との関係が進展する中、母親が神秘的に姿を消すことで、彼女との関係を深めていきます。しかし、数日後、母親が空に現れ、シェルドンのことを話し始めるという奇想天外な展開が待っています。

豆知識

第3話の母親役を演じたメイ・クエステルは、アニメ『ポパイ』のオリーブ・オイル役で知られており、声優としても長いキャリアを持つ人物です。

この映画は、三つの短編が一つに織り交ぜられ、それぞれの監督の独自の視点からニューヨークを描写した作品となっており、観客に様々な感情を喚起させる内容となっています。

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