ニューヨーク・タイムズ・カンパニー

ニューヨーク・タイムズ・カンパニー

ニューヨーク・タイムズ・カンパニーは、アメリカ合衆国を代表するマスメディア企業であり、主に『ニューヨーク・タイムズ』紙の発行を行っています。この企業は1851年にヘンリー・ジャーヴィス・レイモンドとジョージ・ジョーンズによって設立され、創刊号が発行された日付は1851年9月18日です。この創刊号には、「我々は本日、ニューヨーク・デイリー・タイムズの創刊号を発行し、今後何年にもわたって毎朝（日曜日を除く）発行する予定である」という意気込みが表されています。

1990年代に入ると、同社はメディア業界での拡大を図り、1994年にはポップコーン・チャンネルの40%の株式を取得してケーブルチャンネル業界へ進出しました。その後、2003年には『インターナショナル・ヘラルド・トリビューン』の全持分を買収し、2005年には消費者向け情報サイトのAbout.comを高額で買収しました。これらの買収は、会社のビジネスモデルを多様化し、収益の源を増やす意図がありました。

同社は2000年代中盤には地元テレビ局の売却を決定し、その後、2007年には新設のニューヨーク・タイムズ・ビルディングに本社を移転しました。このような経営方針に伴い、収益モデルの見直しも進められています。特に、2011年には『ニューヨーク・タイムズ』のウェブサイトにペイウォールを導入し、有料購読者数を数十万人にまで増加させることに成功しました。

さらなる変革として、同社はラジオ局も運営しており、1944年にAMラジオ局WQXRを買収したことから始まります。これにより、ニュースと共にクラシック音楽を提供することが可能となりましたが、2009年にはこのラジオ局を非営利の公共ラジオに売却しました。

保有するメディア資産には、『ニューヨーク・タイムズ国際版』やオンラインプラットフォームであるNYTimes.comが含まれています。会社は1967年にニューヨーク証券取引所に上場し、クラスA株式とクラスB株式の2種を発行しています。クラスB株式は創業家であるサルツバーガー家が大部分を保有し、会社経営には強い影響力を持っています。

また、2009年にはメキシコの富豪カルロス・スリムからの資金提供のニュースも話題になりました。スリムは以後、クラスA株式を大量に購入し、重要な株主となりました。

現在、取締役には、ニューヨーク・タイムズ・カンパニーの会長を務めるA・G・サルツバーガーや、他の業界リーダーが名を連ねています。会社は様々な賞の後援も行っており、特に地域貢献に積極的な非営利組織を表彰する賞を設立しています。

このようにニューヨーク・タイムズ・カンパニーは、その歴史と経営方針を通じて独自のメディアビジネスモデルを構築し続けています。基盤のある新聞メディアからデジタルやラジオの領域に至るまで、多角的に展開している企業です。

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