ニューヨーク州立ファッション工科大学

ニューヨーク州立ファッション工科大学（Fashion Institute of Technology, FIT）は、1944年に設立されたニューヨーク州立大学(SUNY)の一校で、アート、デザイン、テクノロジー分野における専門教育機関として知られています。ニューヨーク市マンハッタンに位置し、ファッション業界を目指す学生にとって憧れの大学として広く認知されています。

特徴

FITは、短期大学、大学、大学院課程を有し、44の多様な専攻を提供しています。メンズウェア、コスメティック&フレグランスマーケティング、ファッションマーチャンダイズマネジメント、ヴィジュアルプレゼンテーション&エキシビション、トイデザインなど、時代のニーズに合わせた専門分野を網羅しているのが特徴です。セメスター制を採用しており、州内の居住者と州外の居住者で学費が異なります（2017-2018年）。

近年では、2023年度の世界ファッションスクールランキングで世界1位を獲得するなど、国際的な評価も非常に高くなっています。

キャンパス

FITのキャンパスは、マンハッタンの7番街と8番街に面した27番通りに位置しています。9つの建物には、教室、テレビ&ラジオ局、実験室、デザインラボ、ギャラリーなど、充実した教育設備が整っています。John E. Reeves グレイトホールでは、ファッションショーや会議、講義など様々なイベントが開催され、活気に満ちたキャンパスライフを象徴しています。また、Haft AuditoriumとKatie Murphy Amphitheatreという2つの大規模なシアターも備えています。

学生寮は4つあり、そのうち3つがキャンパス内に位置し、約2,300人の学生が生活しています。西31ストリートにある寮は、かつて製本工場として使用されていた建物を改装したロフトスタイルで、ユニークな内装が特徴です。キャンパス内には、レストラン、スターバックス、ショップ、学生専用パティオなど、学生生活をサポートする施設も充実しています。

教育設備

The Fred P. Pomerantz アート&デザインセンターには、デザインラボ、写真ラボ、暗室、ペインティングルーム、彫刻スタジオ、印刷スタジオ、グラフィックラボ、ディスプレイ&エキジビットスタジオ、模型制作ラボなど、最先端の設備が整っています。The Shirley Goodman Resource Centerには、FIT美術館と図書館があり、歴史、社会学、テクノロジー、アート、デザイン、文学など、幅広い分野の書籍や資料が所蔵されています。著名なデザイナーやメーカーから寄贈されたスケッチや製造過程の記録など、貴重な資料も閲覧可能です。

また、多数のコンピューターラボや独自のテレビ局も完備されており、学生のクリエイティブな活動を支援しています。学生の作品はキャンパス中に展示され、ファッション科の卒業プロジェクトであるファッションショーは毎年開催されています。デザイン/照明実験室には、400種類以上の商業用照明機材が完備され、コンピュータ制御されています。香水開発のための研究施設であるThe Annette Green/Fragrance フレグランス実験室も設置されています。

卒業生

FITは、ファッション業界だけでなく、様々な分野で活躍する卒業生を数多く輩出しています。カルバン・クライン、キャロライナ・ヘレナ、マイケル・コースなど、世界的に有名なデザイナーを多数輩出していることでも知られています。また、トニー・チのようなインテリアデザイナー、ニーナ・ガルシアのようなファッション雑誌編集者、ジョエル・シュマッカーのような映画監督など、多様な分野で活躍する卒業生がいます。

FIT美術館

FIT美術館は、服飾、テキスタイル、アクセサリーなど、貴重なコレクションを所蔵しています。これらのコレクションは、学生の学習や研究に活用されるだけでなく、一般にも公開されており、ファッション史やデザインの研究に貢献しています。

FITは、ファッション業界を目指す学生にとって、最高の教育環境と刺激的な学習機会を提供する、世界トップレベルの教育機関です。

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