ニュー・リバー海兵隊航空基地

ニュー・リバー海兵隊航空基地：歴史と現状

ニュー・リバー海兵隊航空基地（KNCA/NCA）は、アメリカ合衆国ノースカロライナ州ジャクソンビルに位置するアメリカ海兵隊の主要な航空基地です。1972年、海兵隊ヘリコプター航空のパイオニア、ケイス・B・マカッチャン大将にちなんでマカッチャン・フィールドと命名されましたが、後に現在の名称に変更されました。キャンプ・ルジューン基地に近接し、一部施設を共有しています。

基地の歴史：タバコ農場から主要航空基地へ

この地の歴史は、第二次世界大戦以前の29区画のタバコ農場へと遡ります。1941年、政府は農場を買い上げ、上陸作戦支援のための航空基地建設に着手しました。バーネット・ロビンソン大佐の調査により、この地が最適であると判断され、1943年3月、最初の飛行隊が配備されました。当初は、VMSB-331などの飛行隊が駐留しましたが、その後、ボーグ・フィールドへ移転しています。

1943年から1944年にかけては、B-25爆撃機部隊が駐留し、1944年4月、ニュー・リバー及びピーターフィールド・ポイント周辺地域がキャンプ・ルジューン海兵隊予備飛行場として指定されました。この時点で、キャンプ・ルジューンから独立した海兵隊施設としての地位を確立しました。キング・エア格納庫では、落下傘隊員やグライダー隊員の訓練が行われていました。

第二次世界大戦後、一時的に閉鎖されましたが、1951年にピーターフィールド・ポイント海兵航空施設として再利用され、翌年にはニュー・リバー海兵隊航空基地と改称されました。1954年には、第26海兵航空群が移駐し、本格的な運用が開始されました。1968年には、ヘリコプター運用を重視した「ニュー・リバー海兵隊航空基地（ヘリコプター）」と名称が変更され、規模を拡大しました。

2015年からは、グローバル・ラリークロスの開催地としても利用され、地域社会との連携も深めています。

駐屯部隊と主要な役割

ニュー・リバー海兵隊航空基地には、様々な部隊が駐留し、多岐にわたる任務を担っています。主な駐屯部隊としては、以下のものがあります。

本部及び本部飛行隊
第26海兵航空群
第29海兵航空群
第1海兵実用試験飛行隊 (VMX-1)
ニュー・リバー海軍航空技術訓練センター
第272海兵航空支援飛行隊
第2海兵航空管制飛行隊 分遣隊B
第362訓練飛行隊 分遣隊1 運用拠点「A」（アメリカ空軍）

これらの部隊は、航空機の整備、訓練、運用、試験など、海兵隊の航空戦力維持に不可欠な役割を担っています。

MV-22 オスプレイの運用

ニュー・リバー海兵隊航空基地は、MV-22 オスプレイを運用する最初の海兵隊基地となりました。MV-22は、垂直離着陸と高速飛行を両立させた革新的な航空機であり、従来のヘリコプターに比べて大幅な能力向上をもたらしています。東海岸では、HMX-1とHMM-774を除くすべての飛行隊がCH-46からMV-22への更新を完了しています。現在、VMM-261、VMM-263、VMM-162、VMM-365、VMM-264、VMM-266の6個飛行隊がMV-22を運用しています。

まとめ

ニュー・リバー海兵隊航空基地は、第二次世界大戦から現代に至るまで、アメリカ海兵隊の航空戦力の中核として重要な役割を果たしてきました。タバコ農場であった土地から、MV-22オスプレイを運用する主要基地へと発展を遂げた歴史は、海兵隊航空史においても重要な位置を占めています。今後も、海兵隊の航空戦力の維持・向上に貢献していくことが期待されています。

もう一度検索