ニワフジ

ニワフジ（庭藤）の詳細解説

ニワフジ（学名：Indigofera decora）は、マメ科に属する落葉低木であり、その美しい花姿から庭木として親しまれています。

特徴

ニワフジは、以下の特徴を持ちます。

形態: 樹高は1～2m程度で、枝は細く、よく分枝します。
葉: 葉は奇数羽状複葉で、小葉は楕円形をしています。葉の表面は緑色で、裏面はやや白色を帯びています。
花: 花期は5～6月頃で、長さ1.5cm程度の紅紫色の蝶形花を咲かせます。花は総状花序につき、垂れ下がって咲く様子が藤の花に似ています。これが名前の由来となっています。
果実: 果実は豆果で、細長い円筒形をしています。秋に熟すと黒褐色になります。

分布と生育環境

ニワフジは、本州（中部地方、近畿地方）、四国、九州、中国、台湾に分布しています。主に川原などの水辺に生育しますが、自生は稀で、庭園や公園などに植栽されていることが多いです。

類似種との違い

ニワフジに似た植物として、同じマメ科のナツフジ（Wisteria brachybotrys）が挙げられます。ナツフジも藤に似た花を咲かせますが、ニワフジとは以下の点で異なります。

花期: ナツフジの花期は6～8月頃で、ニワフジよりも遅いです。
花の大きさ: ナツフジの花はニワフジよりも大きく、見ごたえがあります。
* 樹の大きさ: ナツフジはつる性の植物で、樹高は10m以上になることもあります。一方、ニワフジは低木であり、樹高は1～2m程度です。

栽培

ニワフジは、日当たりと水はけの良い場所を好みます。繁殖は、種まきや挿し木で行います。比較的育てやすい植物ですが、乾燥には弱いので、夏場は水切れに注意が必要です。剪定は、花後に行うと、翌年の花付きが良くなります。

鑑賞

ニワフジは、庭木としてだけでなく、盆栽としても楽しめます。紅紫色の花が美しく、和風庭園によく似合います。また、茶花としても利用されることがあります。

その他

ニワフジは、マメ科植物であるため、根粒菌と共生しています。根粒菌は、空気中の窒素を固定し、ニワフジに供給する役割を果たしています。このため、ニワフジは、痩せた土地でも生育することができます。

まとめ

ニワフジは、紅紫色の美しい花を咲かせるマメ科の落葉低木です。庭木として親しまれていますが、自生は稀です。日当たりと水はけの良い場所を好みます。比較的育てやすい植物であり、庭園や盆栽で楽しむことができます。

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