ニンテンドー3DSガイド ルーヴル美術館

ニンテンドー3DSガイド ルーヴル美術館

『ニンテンドー3DSガイド ルーヴル美術館』は、任天堂が展開するニンテンドー3DS用ソフトであり、フランスのルーヴル美術館と連携して開発されました。このソフトは、訪れる人々に美術館内の作品についての音声ガイドや、より深い体験を提供することを目的としています。

概要

ルーヴル美術館では2012年から、音声ガイド機能を備えたニンテンドー3DS LL本体を来館者に貸し出す有料サービスを開始しました。この音声ガイドは、ニンテンドー3DS専用ソフトとして開発され、2013年11月にはより多くの要素を含んだダウンロード版がリリースされています。さらに、ルーヴル美術館での限定販売も行われ、日本では2015年の「ルーヴル美術館展」でパッケージ版が販売されました。

ソフトでは、多くの作品について高解像度の画像や3Dモデルが掲載されており、ユーザーはこれらを利用して作品をより詳しく観察できる仕組みが整えられています。特に、作品を拡大表示したり、3Dモデルを任意の角度から回転させたりできる機能は、従来の音声ガイドとは異なる新しい視覚体験を提供します。

収録モード

本ソフトには複数の収録モードがあり、主に一般発売版のモードについて紹介します。内蔵ソフト版と共通するところもありますが、設定画面から「館内モード」を選択することで、現地の音声ガイドとしてそのまま利用できます。

作品を鑑賞

このモードでは、収録された作品の中から好きなものを選び、その解説を耳にすることができます。ユーザーはお気に入りの作品にチェックを付け、一覧表示をさせる機能や、さまざまな条件で作品を検索することも可能です。これにより、ルーヴル美術館の膨大な作品の中でも、特に興味がある作品に素早くアクセスできます。

ルーヴルを体験

このモードでは、館内地図を使って自由に移動しながら作品を鑑賞できます。また、学芸員や専門スタッフが提案した3つの体験コースを巡ることができます。例えば、著名な名画を中心に巡る「ルーヴルの傑作」コースや、子供向けに古代エジプトの美術を紹介するコースがあります。

全解説を聞く

全作品の音声解説を自動再生するモードも搭載されています。これにより、訪れる人々は館内にいる間に、すべての作品についての理解を深めることができます。

スライドショー

収録された作品や館内の写真が次々と表示されるスライドショーモードもあり、これを「美術時計」として楽しむこともできます。

開発の背景と技術

任天堂は、ニンテンドーDSの時代から公共の場での活用を目指しており、様々なソフトを展開してきました。プロジェクトの提案者である宮本茂は、自身の美術館訪問の趣味から、音声ガイドとしてのニンテンドーDSの利用を思いつきました。ルーヴル美術館との協業の話が持ち上がった際、音声ガイドを任天堂が担当できないかと宮本が提案しました。

本作では、自分の位置情報に基づいて周辺の作品のガイドを自動再生する機能が備わっています。高精度な位置検出システムを用いることで、館内に設置されたビーコンを利用して安定した動作を実現しています。これにより、来場者は快適に作品を鑑賞できる仕組みが形成されています。

まとめ

『ニンテンドー3DSガイド ルーヴル美術館』は、技術を駆使して美術館の体験を新たな次元へと引き上げています。音声ガイドとしての機能はもちろん、視覚的な要素も加わることで、訪問者は単なる鑑賞者から、作品への理解を深める学びの体験者へと進化しています。美術館とゲームが融合したこの革新的な仕組みは、多くの人々に新しい芸術の楽しみ方を提供し続けているのです。

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