ネイサンズ

ネイサンズ（Nathan's Famous）

ネイサンズは、ホットドッグを専門とするアメリカ合衆国のファーストフードチェーンです。1916年に、ポーランドからの移民であるネイサン・ハンドワーカーがニューヨーク市ブルックリン区のコニーアイランドに創業しました。創業当初は小さなホットドッグスタンドでしたが、その独特な味わいが評判を呼び、徐々に店舗を拡大していきました。

1959年には2号店をニューヨーク州オーシャンサイドに、1965年には3号店を同州ヨンカーズにオープンしました。1987年に創業者のハンドワーカー家がこれらの店舗を売却したことをきっかけに、1990年代にはフランチャイズ化が進み、急速な店舗拡大を遂げました。2009年時点では、アメリカ国内だけでなく、4カ国以上で230店舗以上を展開するまでに成長し、さらに、8,000店以上の小売店、10,000店以上のフードサービスで商品が販売されるなど、その影響力は非常に大きなものとなっています。

ネイサンズは、毎年「ネイサンズ国際ホットドッグ早食い選手権」を開催していることでも有名です。この大会は、ホットドッグをどれだけ早く食べられるかを競うもので、世界中から多くの参加者が集まります。日本人では、小林尊が2001年から6連覇を達成したことで、日本国内でも広く知られるようになりました。その他にも、中嶋広文や新井和響といった日本人選手が優勝経験を持っています。

日本には2003年12月18日に東京・原宿に1号店がオープンしました。その後、品川、麻布、汐留、新宿、吉祥寺にも出店しましたが、2008年までに全て閉店し、日本市場から撤退しました。その背景には、後述する不祥事の影響により、企業イメージが大きく損なわれたことが指摘されています。2009年には沖縄県北谷町の商業施設「アメリカン・デポ」に再進出しましたが、こちらも現在では閉店しており、再度日本市場から撤退しています。

日本での騒動

ネイサンズが日本から撤退する大きな要因となったのが、2005年に発生したアルバイト店員による不適切なブログ記事の炎上事件です。当時、東京で開催されたコミックマーケットに移動販売店として出店していた際、アルバイト店員が客の容姿を揶揄するような内容を個人のブログに投稿しました。「きんもーっ☆」などの侮蔑的な表現を用いたことが問題視され、インターネット上で大きな批判を浴びました。

投稿内容はすぐに削除されましたが、炎上は収まらず、ネイサンズの企業としての責任を問う声が相次ぎました。結果として、同社は公式サイトに謝罪文を掲載する事態となりました。この事件は、企業が従業員に対してインターネット上での情報発信について十分に教育し、管理する必要があることを示した典型的な例として、日本国内で広く知られることとなりました。

外部リンク

Nathan's Cinemex - ウェイバックマシン（2017年12月9日アーカイブ分）
Nathan’s Famous Hot Dogs & Restaurants - Nathan’s Famous

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