ネジメッティン・エルバカン

ネジメッティン・エルバカンの政治経歴

ネジメッティン・エルバカン（1926年10月29日 - 2011年2月27日）は、トルコの著名な政治家で、1996年から1997年まで首相を務めました。彼は1973年に国民救済党の党首となり、トルコの政治に強い影響を与える存在となりました。特に、彼が提唱したイスラーム的価値観に基づく経済政策や政策理念は、後のトルコの政治状況に大きな影響を与えました。

生い立ちと教育

エルバカンは1948年にイスタンブール工科大学の機械工学を卒業した後、西ドイツのアーヘン工科大学に留学し、博士号を取得しました。その後、母校で教職に就き、トルコの産業界とも深い関係を築くことになります。彼は特に大財閥に対する批判的な姿勢を強く持ち、中小企業支援の重要性を訴えました。

政治キャリアの始まり

彼の政治キャリアは、国民救済党の設立によって大きく展開します。1970年に国民秩序党を設立したものの、その活動が停止されたため、1972年に新たに国民救済党を設立しました。この党は、トルコの主要政党の間でキャスティング・ボートの役割を果たし、エルバカン自身も副首相として政権に参加しました。

福祉党への移行と政権

1980年の軍事クーデタによって、彼は政治活動を制限されましたが、1983年の民政移管後には福祉党を結成し、再び政姿勢を見せることができました。1995年の選挙で福祉党が第一党となり、エルバカンは1996年には首相に就任しました。しかし、彼の首相としての期間は短命に終わり、1997年に軍部の圧力によって辞任を余儀なくされました。

福祉党の解党とその後

エルバカンが首相を辞任した後、福祉党は憲法裁判所によって非合法化され、彼自身も政治活動禁止の措置を受けました。その後は後継政党の美徳党や至福党に影響力を持ち続けました。

最後の晩年

2011年、エルバカンは病気のため首都アンカラで逝去しました。彼の死は多くのトルコ人にとって、影響力のある指導者を失うことを意味しました。エルバカンの政治理念は、現在もトルコの政治において重要な位置を占め続けています。彼が提唱した「ミッリー・ギョリュシュ」の理念は、現在も多くの政党によって引き継がれており、トルコの未来を考える上で欠かせない要素と言えるでしょう。

脚注

エルバカンの活動や信念は、トルコの政治の文脈において特に重要です。彼の理念は、政策のあり方だけでなく、トルコの将来を形作る市民の役割についても深く関与しています。

もう一度検索