ネット棋聖戦

ネット棋聖戦

ネット棋聖戦は、読売新聞社が主催する、アマチュア囲碁棋士を対象としたインターネット囲碁大会です。2014年に創設され、アマチュア棋界の活性化と、プロ棋戦への登竜門としての役割を担っています。

大会の特徴

ネット棋聖戦の最大の特徴は、優秀な成績を収めたアマチュア棋士に、プロ棋戦である棋聖戦への出場資格が与えられる点です。これにより、アマチュア棋士がプロ棋士と対等に戦い、実力を試す機会が生まれます。大会は年間を通して4シーズン開催され、各シーズンで熱戦が繰り広げられます。

クラス分けと対局方式

参加者は、棋力に応じてSA、A、B、C、Dの5つのクラスに分かれます。

SAクラス: トップアマが参加する最高峰のクラス。年間決勝トーナメント優勝者には棋聖戦への出場資格が与えられます。
Aクラス: アマチュア四段以上の棋士が対象。
Bクラス: アマチュア初段から三段の棋士が対象。
Cクラス: アマチュア1級から5級の棋士が対象。
Dクラス: アマチュア6級以下の棋士が対象。

SAクラスを除き、対局はパンダネットのシステムを利用したインターネット対局で行われます。各クラスはさらにいくつかのリーグに分かれ、SAクラスは総当たり戦、その他のクラスはスイス式トーナメント方式で対局が進められます。各シーズンの成績に応じて、上位者は昇格、下位者は降格します。

年間決勝トーナメント

SAクラスでは、年間4シーズンのリーグ戦で一度以上優勝または準優勝した選手が参加する「年間決勝トーナメント」が開催されます。複数回優勝者は、トーナメントでのシード権を得られます。トーナメント上位4名には、棋聖戦ファーストトーナメントへの出場資格が与えられます。

不正行為への対策

ネット対局という特性上、不正行為への対策は厳重に行われています。特に、囲碁AIの使用は固く禁じられており、不正が疑われる場合はプロ棋士による試験碁が課されることがあります。不正が発覚した場合は、大会への参加禁止や氏名公表などの厳しい処分が科される可能性があります。

棋聖戦での活躍

過去には、ネット棋聖戦の出場者が棋聖戦で目覚ましい活躍を見せています。栗田佳樹は、第6回ネット棋聖戦で優勝し、第45期棋聖戦に出場。ファーストトーナメントを勝ち抜き、アマチュアとして初の棋聖戦Cリーグ入りを果たしました。Cリーグでも3勝を挙げて残留を決めるなど、大きな話題となりました。

まとめ

ネット棋聖戦は、アマチュア棋士にとって、プロ棋士への挑戦の道を開く重要な大会です。インターネットを利用した手軽な参加方法や、不正行為への厳格な対策など、現代的な囲碁大会のあり方を示しています。今後も、アマチュア棋界の発展に貢献することが期待されます。

外部リンク

読売新聞オンライン ネット棋聖戦

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