ネナド・ブルノヴィッチ

ネナド・ブルノヴィッチ：不屈の精神でピッチに立った男

ネナド・ブルノヴィッチ（Nenad Brnović）は、1980年生まれ、モンテネグロ出身の元サッカー選手です。主にミッドフィールダーとして活躍しました。兄は元ユーゴスラビア代表のボヤン・ブルノヴィッチ、義理の兄弟には元モンテネグロ代表のヴラド・イェキッチがいます。兄弟と共にプレーした時期もあり、ボヤンとはFKゼタやパルチザン・ベオグラードでチームメイトでした。

クラブキャリア

ブルノヴィッチは、キャリアの多くをFKゼタ・ゴルボヴツィとパルチザン・ベオグラードで過ごしました。FKゼタでは、近年顕著な活躍をした功労者として、兄ボヤンと共に紹介されています。2004年にパルチザンへ移籍し、中心選手として活躍が期待されていました。

しかし、2006年3月21日の古巣ゼタ戦で悲劇が起こります。試合開始早々に相手選手のタックルを受け、脛骨と腓骨の開放性骨折という重傷を負ってしまいました。ベオグラードの病院に搬送され、手術を受けましたが、復帰には2年半という長い時間を要することになりました。

当初は6～8ヶ月での復帰が見込まれていましたが、回復は遅れ、再手術を余儀なくされました。この怪我は、26歳という若さで「再び歩けるようになること」を切望するほど深刻なものでした。

パルチザンとの契約はリハビリ中に満了しましたが、2008年9月4日に新たに契約を結びました。そして、9月7日のPAOKテッサロニキとの親善試合で、15分間プレーし、見事に復帰を果たしました。その後、FKスラビアとの親善試合にも出場しましたが、パルチザンは彼の状態を考慮し、出場機会を増やすため、2008年12月にFKラド・ベオグラードへレンタル移籍させることを決定しました。

レンタル期間満了後の2009年夏、パルチザンはブルノヴィッチとの契約を延長せず、彼は母国モンテネグロのFKブドゥチノスト・ポドゴリツァへ移籍しました。同年11月4日、モンテネグロカップ2回戦で故障からの復帰後初ゴールを記録しました。

代表キャリア

2002年、ブルノヴィッチはデヤン・サビチェビッチ監督率いるユーゴスラビア/セルビア・モンテネグロ代表に招集され、リトアニア代表戦でデビューを果たしました。その後、ワールドカップ予選を含む17試合に出場しました。

しかし、前述の重傷により選手としての最盛期を棒に振ってしまい、2006年のモンテネグロ独立後は代表に招集されることはありませんでした。それでも彼は、「1試合、1分でいいからモンテネグロ代表のユニフォームを着てプレーしたい」と、代表への強い思いを語っていました。

ネナド・ブルノヴィッチは、そのキャリアを通して、怪我という大きな壁に直面しながらも、不屈の精神で立ち上がり、再びピッチに戻ってきました。彼の姿は、多くの人々に勇気と希望を与えてくれるでしょう。

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