ネパール内戦

ネパール内戦

ネパール内戦は、1996年から2006年にかけて約11年にわたりネパール政府軍とネパール共産党毛沢東主義派（通称マオイスト）との間で繰り広げられた内戦を指します。この紛争は、マオイストが「人民戦争」と名づけ、自らの政治的目標である「ネパール人民共和国」の樹立を求めて戦ったものです。

内戦の発端

1996年2月、マオイストの指導者バーブラーム・バッタライが政府に対して40か条の要求を突きつけ、これが拒否されたことを受けて彼らは武力行使を決定しました。内戦の初期段階では、マオイストは山間部と農村部でゲリラ戦を展開し、瞬く間に国土の広範囲（とも言われるには約8割）にわたって実効支配を確立しました。

初期の戦闘では、ホレリ、アトビスコットやシンドゥリガディの警察詰め所が襲撃され、爆発物や武器が奪われました。これ以降、マオイストは組織的に戦闘部隊を編成し、次第に勢力を増していきました。1997年から1998年には「プラトーン」や「スクアッド」と呼ばれる部隊が形成され、より大規模な活動に移行しました。

内戦の拡大

内戦は2001年まで続き、ロルパ郡やバージュラ郡での襲撃が相次ぎました。同年のネパール王族殺害事件を契機に国政が混乱し、政府の抗争は激化しました。マオイスト側も同年に人民解放軍を正式に発足させ、積極的な攻撃に転じました。この年には多くの警官が拉致され、さらなる暴力行為が横行しました。

2002年には政府の直接統治に対する反抗として、マオイストは再び武装紛争を強化し、大規模な襲撃が相次ぎました。2004年から2005年にかけては、数回にわたる和平の試みが行われる一方で、戦闘は続きました。マオイストは各地で人民政府を樹立し、力量を蓄えていました。

和平合意とその後

その後、2006年に至り、国内外の政治状況の変化を受けて、マオイストと政府との間で和平交渉が再開されました。2006年11月21日、ついに「包括的和平合意」が成立し、内戦は終息を迎えました。和平合意の成立と共に国際連合ネパール支援団（UNMIN）が設立され、停戦の監視が行われました。

戦後の状況

戦後、マオイストは政治的にも力をつけ、2008年の制憲議会では220議席を獲得し、議会第一党となりました。さらに同年、王政が廃止され、連邦共和制が採択されるなど、ネパールの政治構造は大きな変革を迎えました。

最終的に、2011年1月にはUNMINの活動が終了し、ネパールの内戦は歴史の一部として区切りを迎えることとなりました。この内戦はネパールの社会や政治に深刻な影響を及ぼし、今後の課題を残す結果となりました。

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