ネルソン・ピケ・サーキット

アウトドローモ・インテルナシオナル・ネルソン・ピケ

アウトドローモ・インテルナシオナル・ネルソン・ピケ、通称ネルソン・ピケ・サーキットは、ブラジルのリオデジャネイロに位置するサーキットで、1978年に建設されました。このサーキットは、ジャカレパグア湖の近くに設けられ、コースの地形はほぼ平坦であり、数々のストレートと低速コーナーからなるレイアウトが特徴です。

1978年にF1が初開催され、以後、1980年代を通じてF1ブラジルグランプリの主要な開催地となりました。特に、1983年から1989年の7年間は、F1シーズン開幕戦の舞台として非常に重要な役割を果たしました。その際、リオデジャネイロ出身のF1ワールドチャンピオンネルソン・ピケの名を冠し、「ネルソン・ピケ・サーキット」と改名されました。1989年には、ウィリアムズのリカルド・パトレーゼによって1分32秒507というコースレコードが樹立されました。

しかし、サーキットの運命は1989年を最後に大きく変わります。以降はサンパウロにあるインテルラゴス・サーキットでF1ブラジルGPが開催されるようになり、ネルソン・ピケ・サーキットではCARTや国内レースが行われるようになりました。特に、1995年から2004年の間に何度もロードレース世界選手権が行われ、その中で日本人ライダーが数多くの成功を収めたことも特筆すべき点です。

サーキットの閉鎖とオリンピックへの転用

2007年、リオデジャネイロでのパン・アメリカンゲームズに向けて、サーキットの一部を取り壊す計画が浮上しました。この計画には、ブラジル自動車連盟やレース関係者からの反発があり、地域住民の間でも賛否が分かれる結果となりました。しかし、2012年にはサーキットが取り壊されることが決定し、跡地には2016年夏季オリンピックのための競技施設が建設されることになりました。

オリンピック・パークは、リオ・オリンピックの中心地として設計され、総合的な競技施設として多くのオリンピック競技が行われることが期待されていました。サーキットは2012年11月に取り壊され、その跡地には15のオリンピック競技会場と11のパラリンピック競技会場、またメディアセンターが設けられることになりました。

最後に

ネルソン・ピケ・サーキットは、その歴史的な意義と魅力を持っていた場所であり、多くのレースファンにとって特別な思い出が詰まった場所と言えるでしょう。サーキットの名は、今もブラジルのモータースポーツ史に名を刻んでおり、その跡地で行われる新たなスポーツイベントも多くの人々に愛されることでしょう。サーキットの存在はなくなったものの、その影響は続いています。

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