ネルソン・レイクス国立公園

ネルソン・レイクス国立公園は、ニュージーランド南島の北部に位置し、ネルソン地方とタスマン地方にまたがる広大な自然保護区です。1956年に設立されたこの国立公園は、壮大なサザンアルプス山脈の最北端に位置しており、その地形は氷河期に形成されたと考えられています。

公園の地理

公園の中心には、ロトイチ湖とロトロア湖という二つの大きな氷河湖が広がっています。ロトイチ湖のすぐ北側には、公園への玄関口となるセント・アーナウドの町があります。これら二つの主要な湖の他にも、コンスタンス湖やブルー湖など、美しい小さな湖が点在し、公園の風景に変化を与えています。

公園内には、トラヴァース川、サビーン川、デュルヴィル川といった渓谷を形成する重要な河川が流れています。トラヴァース川はロトイチ湖へ注ぎ込み、サビーン川とデュルヴィル川はロトロア湖へと流れ込んでいます。ロトイチ湖から流れ出すブラー川は、ロトロア湖から流れ出るゴーワン川と合流し、さらに公園内に源流を持つマタキタキ川とも合流して、ネルソン・レイクス国立公園内の多くの河川が形成するブラー川水系の中心となっています。公園の地理的な特徴の一つとして、タスマン地方の最高峰であるフランクリン山（標高2,340メートル）が園内にそびえています。

豊かな生態系

植物

ネルソン・レイクス国立公園の植生は、ブナが主要な樹種となっています。比較的温暖な低地や標高の低い場所では、アカナンキョクブナやギンナンキョクブナが見られ、標高が上がるにつれてヤマナンキョクブナが自生しています。これらのブナ林が公園の景観を特徴づけています。

動物

この国立公園は、様々な野鳥にとっての楽園です。これまでにニュージーランドコマヒタキ、ニュージーランドミツスイ、ニュージーランドオウギビタキ、ミドリイワサザイ、カカ、イワサザイ、ミヤマオウム、アオヤマガモなど、多くの種類の鳥類が確認されています。また、オオマダラキーウィの個体数を増やすための再導入プロジェクトもここで行われています。

アウトドアアクティビティ

ネルソン・レイクス国立公園では、ニュージーランドでトランピングと呼ばれるトレッキングが非常に人気があります。ニュージーランドを代表する長距離トレイル「グレート・ウォークス」には含まれていませんが、数多くの素晴らしいトレッキングコースが整備されています。

特筆すべきコースとしては、全長約80キロメートルに及ぶ壮大なトラヴァース＝サビーン・サーキットがあります。また、ロトロア湖周辺にはフラワー・ブラザーズ・ウォークをはじめとする様々な長さのコースが、ロトイチ湖周辺にも複数のトレッキングコースが設けられています。さらに、美しいアンジェラス湖を目指す全長21.4キロメートルのトレッキングコースも挑戦しがいがあります。

トレッキング以外にも、公園内では多様なアウトドア活動を楽しむことができます。山々での本格的な登山、変化に富んだ地形でのマウンテンバイク、静かな湖面でのボート遊び、そして釣りや狩猟など、自然を満喫するための幅広い選択肢が提供されています。

ネルソン・レイクス国立公園は、その手つかずの自然景観、多様な生態系、そして豊富なアウトドアアクティビティの機会により、訪れる人々に忘れられない体験を提供しています。

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