ノイエンズントの戦い

ノイエンズントの戦い：七年戦争におけるスウェーデン軍の勝利

ノイエンズントの戦いは、七年戦争中の1761年9月18日に、現在のドイツ北東部に位置するノイエンズントで発生しました。この戦いは、ヤーコプ・マグヌス・スプレングポルテン率いるスウェーデン軍が、ヴィルヘルム・ゼバスティアン・フォン・ベリンク率いるプロイセン軍を打ち破った小規模な戦闘として知られています。

戦いの背景

1761年9月中旬、プロイセン軍はロシア軍の攻撃にさらされ、オットー・ルートヴィヒ・フォン・シュトゥッターハイム率いる部隊は、西ポンメルンからシュテッティンへの移動を命じられました。これにより、西ポンメルンの守備はベリンクの指揮下にある部隊のみとなりました。一方、スウェーデン軍はヴォリン島とポンメルンに13,791人の兵力を駐留させており、シュトゥッターハイム軍の撤退は、スウェーデン軍にとって攻撃の好機となりました。スウェーデン軍は、リューベッカーとスプレングポルテンがそれぞれ率いる2つの縦隊で、プロイセン軍を包囲する作戦に出ました。

9月17日、ベリンクはコサブロマの戦いでリューベッカー隊を阻止しようと試みましたが、失敗に終わりました。ベリンクはゴルツの部隊をコサブロマに残し、リューベッカーの進軍を遅らせようとしました。翌日、ベリンクはローテミュールへ撤退し、シュテッティンからの援軍との合流を目指しました。しかし、スプレングポルテン軍の前衛部隊は、フェルディナンツホーフを守備していたクノーベルスドルフの分遣隊を攻撃し、クノーベルスドルフは小競り合いで時間を稼ぎながらローテミュールへと撤退、途中でシュテッティンからの援軍と合流しました。スプレングポルテンは1個大隊をロテミュールに派遣し、自身はトルゲローへ進軍しました。

戦闘の経過

9月18日、ベリンクはローテミュールから西へ約6キロメートルのノイエンズントに到着し、陣を構えました。スプレングポルテンが派遣した大隊は、ロテミュールを占領し、プロイセン軍と対峙しました。数で勝るスウェーデン軍に対し、ベリンク軍の前衛は砲撃にとどまり、突撃を避けました。

ベリンクはパーゼヴァルクからの2個擲弾兵大隊の到着を待っていましたが、背後から戦闘の音が聞こえてきました。リューベッカー軍がゴルツの分遣隊に攻撃を仕掛けていたのです。リューベッカーはベリンクの全軍と交戦していると誤認し、銃撃にとどまり、スプレングポルテンの到着を待ちました。

午前11時、プロイセンの擲弾兵大隊が到着すると、ベリンクは直ちに擲弾兵に森を抜けてスウェーデン軍の側面を突くよう命じました。ほぼ同時に、スプレングポルテン軍もフェルディナンスホフへの道から現れ、ベリンク軍に反撃を開始しました。両軍が激突し、激しい戦闘が繰り広げられました。擲弾兵部隊の一部はスプレングポルテン軍の一部を打ち破りましたが、突撃が速すぎて後続部隊が追いつけず、孤立してしまいました。そこへスウェーデン軍が猛攻を加え、擲弾兵大隊は兵士の3分の2を失い、撤退を余儀なくされました。後続部隊がようやく追いつき、撤退を援護しました。

スウェーデン軍に挟撃されることを恐れたベリンクは、タシェンベルクとゲーレンへの撤退を選択し、擲弾兵をパーゼヴァルクへ送り返しました。ベリンク軍はまず西へ、そして日没時にはシュトラースブルクへ南下しました。リューベッカーとスプレングポルテンはシェーンハウゼンで進路を変え、ヴォルデックやシュトラースブルクへ戻りました。

戦闘の結果

プロイセン軍は510人の損害を出し、うち士官4人と兵士200人が戦死、士官6人と兵士300人が捕虜となりました。一方、スウェーデン軍は士官1人と兵士37人が戦死、士官5人と兵士76人が負傷、9人が行方不明、26人が捕虜となりました。

ノイエンズントの戦いは、七年戦争におけるスウェーデン軍の数少ない勝利の一つとして記録されています。この勝利は、スウェーデン軍の士気を高め、プロイセン軍に対する抵抗を続ける上で重要な役割を果たしました。

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