ノン ノン シュガー!!

『ノン ノン シュガー!!』

宝塚歌劇団雪組による『ノン ノン シュガー!!』は、2007年に宝塚バウホールで上演された作品で、藤井大介の作・演出により、音月桂が主演を務めました。本作は1960年代のアメリカを背景に、青春の葛藤や恋愛を描いた心温まるグラフィティです。

あらすじ

1960年代のアメリカに存在するライブハウス「ノン・ノン・シュガー」。この場所は、夢を追い求める若者たちが集まる場所であり、多様な人間関係が交錯する舞台です。物語の中心には、幼少期に母親と死別し、孤独に生きる青年ジョニーと、家庭に反発して家出をした富豪の娘シェイラがいます。

物語は1995年、作家のJがメンフィスに戻るところから始まります。空港で出会った一人の女性との交流の中で、Jは30年前の青春の日々を思い起こします。その頃のジョニーは、ロックシンガーを夢見て「ノン・ノン・シュガー」でキング・ビートの前座として歌っていました。ジョニーはある日、チンピラに絡まれているシェイラを助けます。

登場人物

• - ジョニー（音月桂）: ロックシンガー志望の青年。母親を亡くし孤独に生きてきた。
• - シェイラ（大月さゆ）: 家出をした富豪の娘。バイオリニストを目指している。
• - J（沙央くらま）: 1995年のジョニー。作品を執筆する作家。
• - キング・ビート（萬あきら）: 「ノン・ノン・シュガー」の人気シンガー。
• - マライア（大月さゆ）: 1995年にJが出会った少女。シェイラに似ている。

物語の展開

ジョニーとシェイラの間には、共通の孤独感が芽生えます。互いに過去の痛みを抱えつつ、心を寄せ合う二人。ジョニーはシェイラに自分の心を開き、彼女もまたジョニーに自らの夢や不安を語ります。しかし、ある悲劇が二人を襲います。キングの恋人ザザが自ら命を絶つ事件が発生し、ジョニーはその影響を受けてしまいます。また、ジョニーは舞台に立ち続けるキングの姿を見て、自分の将来について悩むようになります。

この悲劇をきっかけに、ジョニーはロックシンガーになる夢を諦める決意を抱くことになります。彼はシェイラとの未来を考え、音楽の世界から身を引く決断をするのです。

音楽

作品内では、1960年代のヒット曲が数多く使用されています。特にテーマソング「ノン・ノン・シュガー」は、この物語のエッセンスを象徴する重要な曲となっています。オリジナル楽曲や60年代のオールディーズが織り交ぜられ、観客をその時代に引き込む演出がなされています。

公演情報

本作は2007年2月24日から3月6日まで宝塚バウホールで上演されました。観客に強いメッセージを届けたこの作品は、夢と恋、人間関係の微妙さが絡み合った感動的なストーリーを展開し、多くの人々の心に深く残ることでしょう。

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