ノヴァーラFC

イタリア北西部に位置するピエモンテ州の都市、ノヴァーラに本拠地を置くサッカークラブ、ノヴァーラ・フットボール・クラブ（Novara Football Club S.S.D. S.r.l.）は、親しみを込めて「ノバラ」とも呼ばれる。クラブは1909年に創設され、長い歴史の中でイタリア国内の様々なカテゴリーで戦ってきた。2023-24シーズンはイタリアサッカーリーグの3部に相当するセリエCに所属している。

歴史

クラブが産声を上げたのは1909年である。第二次世界大戦後の最盛期には、イタリアのトップリーグであるセリエAで戦う強豪として知られた。特に1948-49シーズンから1955-56シーズンにかけての8シーズンはセリエAに在籍し、この期間中の最高成績は8位であった。しかし、1955-56シーズンに17位でセリエBへ降格してからは、長らくセリエBとセリエC（当時の名称を含む）を主戦場とし、トップリーグから遠ざかる時期が続いた。

暗黒期を脱する兆しが見えたのは2000年代後半である。特に2009-10シーズンには、当時の3部リーグにあたるレガ・プロ・プリマ・ディヴィジオーネを戦い、シーズンを通して30試合無敗という驚異的な記録を打ち立てた。この圧倒的な強さでリーグを制覇し、クラブは実に33シーズンぶりとなるセリエBへの昇格を果たした。

セリエB昇格の勢いは翌シーズンも続いた。2010-11シーズン、ノヴァーラはセリエBで3位という好成績を残し、セリエA昇格をかけたプレーオフへと駒を進めた。プレーオフでは、準決勝でレッジーナ・カルチョを、決勝でカルチョ・パドヴァをそれぞれ撃破。この勝利により、クラブは実に55シーズンぶりとなるセリエA復帰という歴史的な快挙を成し遂げた。

同じく2009-10シーズンには、国内カップ戦であるコッパ・イタリアでも旋風を巻き起こした。レガ・プロ所属ながら、格上のセリエAクラブであるパルマやシエーナを破り、勝ち進んだ。5回戦ではイタリアサッカー界の巨人ACミランと対戦するため、スタディオ・ジュゼッペ・メアッツァには1万2千人を超える「ノヴァレージ」（ノヴァーラサポーターの愛称）が駆けつけた。惜しくも試合は1-2で敗れたものの、下部リーグのクラブとして大きな注目を集めた。このシーズンは、レガ・プロ・プリマ・ディヴィジオーネの優勝に加え、スーペルコッパ・ディ・レガ・ディ・プリマ・ディヴィジオーネでも優勝を果たしている。

しかし、再び困難がクラブを襲った。2021年の夏、財政的な問題を抱えていたクラブは破産宣告を受けた。この危機に対し、クラブは名称を「ノヴァーラFC」としてセリエDからの再スタートを余儀なくされた。それでもクラブはすぐに立ち上がり、2021-22シーズンにはセリエDのジローネAで優勝を果たし、わずか1シーズンでセリエCへの復帰を成し遂げた。

タイトル

ノヴァーラFCはこれまでに多くの国内タイトルを獲得している。

- プリマ・ディヴィジオーネ: 1回 (1926-27)
- セリエB: 2回 (1937-38, 1947-48)
- スーペルコッパ・ディ・レガ・ディ・プリマ・ディヴィジオーネ: 1回 (2010)
- スーペルコッパ・ディ・レガ・プロ: 1回 (2015)
- セリエC: 2回 (1964-65, 1969-70)
- レガ・プロ・プリマ・ディヴィジオーネ: 1回 (2009-10)
- レガ・プロ: 1回 (2014-15)
- セリエC2: 1回 (1995-96)
- カンピオナート・ナツィオナーレ・ダンテ・ベレッティ: 3回 (1969-70, 2009-10, 2014-15)

歴代の指揮官と選手

クラブの歴史を彩った監督や選手も数多い。過去にはルイージ・デルネーリ、フランコ・コロンバといった後に著名となる監督がチームを率いた時期もある。選手では、ピエトロ・パジナティやレナート・ザッカレッリといったイタリア代表経験者も所属した。近年ではサミル・ウイカニ、サンチャゴ・ガルシア、イバン・ラドヴァノビッチなどがノヴァーラでプレーした。

ノヴァーラFCは、その長い歴史の中で浮き沈みを経験しながらも、地域に根ざしたクラブとして活動を続けている。

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