ノーザンケイブフィッシュ

ノーザンケイブフィッシュ（学名：Amblyopsis spelaea、英名：northern cavefish または northern blindfish）は、ドウクツギョ科に属する珍しい魚類です。この種は、アメリカ合衆国ケンタッキー州とインディアナ州南部の石灰岩洞窟にのみ生息しています。

この魚は、その名の通り洞窟環境に適応しており、視覚機能が退化しているのが特徴です。体色は通常、白またはピンクがかった色をしています。洞窟内の暗闇の中で生活するため、視覚よりも側線やその他の感覚器官が発達しています。これにより、水流や振動を感知し、獲物を捕らえたり、障害物を避けたりすることができます。

2013年の調査により、ノーザンケイブフィッシュはオハイオ川を境に、北（インディアナ州）と南（ケンタッキー州）の2つの系統に分かれることが明らかになりました。この発見に基づいて、南部系統には従来の学名であるAmblyopsis spelaeaが適用されました。一方、北部系統は2014年の論文で新種として記載され、Amblyopsis hoosieriという学名が与えられました。どちらの種も、インディアナ州ベッドフォードの東から西に流れるホワイトリバーより北には分布していません。

ノーザンケイブフィッシュは、洞窟という非常に特殊な環境に生息しているため、環境の変化に非常に敏感です。水質汚染や洞窟の破壊、観光による影響などが、彼らの生存を脅かす要因となっています。そのため、アメリカ合衆国では「Threatened species（絶滅危惧種）」に指定されており、国際自然保護連合（IUCN）では「準絶滅危惧種」としてリストアップされています。

これらの希少な魚を守るためには、生息地の保護とモニタリングが不可欠です。洞窟生態系の保全は、ノーザンケイブフィッシュだけでなく、他の洞窟生物にとっても重要です。そのため、洞窟環境の保護に関する意識を高め、適切な対策を講じることが求められています。研究者たちは、この魚の生態や遺伝的な特性について更なる調査を続けており、その保護活動に役立てようとしています。

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