ノーテレビデー

ノーテレビデーについて

ノーテレビデーは、家庭におけるテレビ視聴がもたらす不健康な影響を考え、定期的にテレビを見ない日を設けようとする運動です。この運動は、日本各地の自治体や学校で独自に実施され、テレビだけではなくゲームやインターネット使用も控える「ノーテレビ・ノーゲームデー」として広がりを見せています。

起源と歴史

ノーテレビデーの発案は、1976年に岩佐京子が著書『テレビに子守りをさせないで』で提唱した「テレビなしデー」とされています。岩佐は、テレビ視聴と子どもの言語発達や自閉的傾向との関連性に気付き、長時間の視聴が健康に及ぼす影響について問題提起を行いました。

その後、1980年代にはアメリカにおいてテレビの暴力が青少年の犯罪に影響を与えるとの議論が高まり、1999年には米国小児科学会が2歳以下の子どもにはテレビを見せないことを推奨するまでに至ります。日本でも同時期に伊藤助雄が乳幼児や学童のメディア接触について調査し、ノーテレビデーの重要性を提唱しました。1999年に設立された「子どもとメディア研究会」は、月に1度のノーテレビデーの実施により、家族のコミュニケーションが向上し、スキンシップが増えたとの効果を報告しています。

さまざまな地域での取り組み

ノーテレビデーは多くの地域でさまざまな形で実施されています。2001年には4月23日が「子ども読書の日」と定められ、これを契機に毎月23日をノーテレビデーとして読書や他の活動に集中する動きが広まりました。台東区や北九州市などもこの流れに沿った取り組みが見られるようになりました。

特に野々市市では、2004年から保育園でのノーテレビデーの運動が始まり、2007年には小中学校まで範囲を広げた「ノーテレビ・ノーゲームデー」を開始し、2019年には「ノーネット」を加え、地域全体で毎月1回の実施を呼びかけています。また、東京都葛飾区では、2010年から毎月10日を「ノーテレビ・ノーゲームデー」と定め、テレビやゲームの使用を控えることを促進しています。

相模原市立富士見小学校では2021年に月に1回、第2月曜日を「ノーゲーム・ノースマホ・ノーテレビデー」と定めており、家族の対話や読書の時間を重視する呼びかけを行っています。さらに綾瀬市では毎月特定の日を「ゼロの日」として、家庭でのテレビやゲームを控える運動が展開されています。

一方で東御市教育委員会のように、「ノーテレビデー」や「ノーメディアデー」を推進しながらも、具体的な実施日を設けていない場合もあるため、地域の取り組みにはばらつきがあることも事実です。

おわりに

ノーテレビデーは、家庭におけるメディアとの関わり方を見直す重要な機会を提供しています。テレビやゲームに代わって、親子のふれあいや読書といったより健全な活動を促進することが目的です。今後もこの運動が広がり、より多くの家庭で良好な生活習慣が築かれることを期待します。

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