ノーメックス

ノーメックス：過酷な環境を守る難燃性繊維

ノーメックスは、デュポン社が1960年代初頭に開発し、1967年に販売を開始したメタ系アラミド繊維です。その優れた難燃性から、消防士、レーシングドライバー、宇宙飛行士など、様々な分野で働く人々を保護する素材として広く利用されています。

特徴

ノーメックスは、ナイロンの一種であるアラミドポリマーに分類されます。芳香族主鎖を持つため、通常のナイロンよりも高い剛性と耐久性を備えています。同じアラミド繊維であるケブラーと比較すると、強度は劣りますが、耐熱性、耐薬品性、耐放射線性において優れています。

幅広い用途

ノーメックスは、その優れた特性から、様々な用途に利用されています。

電気絶縁材: ノーメックス紙は、回路基板や変圧器の絶縁材として使用されています。
航空機: ハニカム構造に加工されたノーメックスは、航空機の構造材として、軽量化と強度向上に貢献しています。
防護服: 消防士、レーシングドライバー、軍用パイロットなどが着用する防護服の素材として、高温や火災から身を守ります。特に、消防士用のフードは、ヘルメットやフェイスマスクで覆われていない頭部を保護する重要な役割を果たします。
宇宙開発: 宇宙服や宇宙船の断熱材として、極限環境から宇宙飛行士や機器を保護します。
音響材料: 特殊な音響特性を持つノーメックスは、コンサートホールの吸音材として使用され、最適な音響環境を作り出します。
その他: スピーカーの振動板、ボートの船体、産業用フィルターなど、幅広い分野で利用されています。

歴史

ノーメックスのような難燃性素材の必要性は、1960年代に発生したレーシングカーの事故によって高まりました。多くのドライバーが火災によって命を落としたことから、難燃性のドライビングスーツの開発が進められ、ノーメックスがその素材として採用されるようになりました。

ノーメックスが守るもの

ノーメックスは、火災や高温といった危険な環境から人々を守る、非常に重要な素材です。その優れた性能は、様々な分野で安全性を向上させ、社会に貢献しています。


参考

アラミド
ケブラー
ポリアミド

外部リンク

Nomex（英語） - DuPont de Nemours
One Layer vs. Multi-Layer（英語） - RacingSuits.com
ノーメックス - 帝国繊維

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