ノー・ストーン・アンターンド

ローリング・ストーンズの1973年リリースのコンピレーションアルバム『ノー・ストーン・アンターンド』(No Stone Unturned)は、当時シングル盤のB面や、アルバム未収録のレアトラックを集めた、いわば隠れた名曲集と言えるでしょう。このアルバムは、彼らの幅広い音楽性を垣間見ることができる貴重な作品であり、コアなファンにはたまらない一枚となっています。

CD化されていないため、入手困難な点が惜しまれますが、レコードコレクターやストーンズ愛好家にとっては、まさに宝物と言えるでしょう。収録されている楽曲は、シングルA面とはまた違った魅力を持つ、隠れた名曲揃い。アルバム全体を通して、ストーンズならではのロックンロールサウンドと、彼らのソングライティングの才能が存分に発揮されています。

例えば、「Poison Ivy」は、彼らのブルージーな一面を際立たせたナンバーであり、初期のストーンズを代表する楽曲の一つと言えるでしょう。「The Singer Not the Song」は、ストーンズらしいグルーヴ感と、ミック・ジャガーの独特の歌声が印象的な作品です。また、「Surprise, Surprise」は、彼らの遊び心と、音楽的な柔軟性を感じさせる、アップテンポなナンバーです。

さらに、「Child of the Moon」は、より繊細でメランコリックな雰囲気を持つ、バラード調の楽曲。ストーンズの音楽的幅広さを示す、重要な一曲と言えるでしょう。「Stoned」や「Sad Day」といった楽曲は、彼らの初期のアルバムに収録されている楽曲とはまた異なる、実験的な側面を見ることができるでしょう。

「Money」や「Congratulations」といったナンバーは、彼らのストレートなロックンロールサウンドを堪能できる楽曲です。「I'm Moving On」は、彼らのブルースへの深い理解を示すブルージーな名曲です。「2120 South Michigan Avenue」は、アルバムのタイトルと同様に、彼らの音楽探求の旅路を象徴するような楽曲となっています。「Long Long While」は、ゆったりとしたテンポと美しいメロディーが魅力的な作品です。そして「Who's Driving Your Plane」は、彼らの音楽的な多様性を示す、締めくくりに相応しい一曲です。

これらの楽曲を通して、聴く者はローリング・ストーンズの音楽的深淵に触れることができ、彼らが単なるロックバンドではなく、多彩な音楽性を持ち合わせたアーティスト集団であることを再認識できるはずです。このアルバムは、彼らの初期作品から知られざる魅力を発見できるだけでなく、長年のファンにとっても新たな発見がある、まさに隠れた名盤と言えるでしょう。もし、このアルバムを手に入れる機会があれば、ぜひ一度、その魅力を体感してみてください。彼らの音楽の奥深さ、そして、その時代背景を想像しながら聴くことで、より一層、その魅力が増すことでしょう。1970年代の音楽シーンを彩った、彼らの輝かしい軌跡を垣間見ることができる、貴重な一枚です。

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