ハイスクール・ミュージカル/ザ・ムービー

『ハイスクール・ミュージカル/ザ・ムービー：シニアイヤー』は、大ヒットしたテレビ映画シリーズの集大成となる劇場版作品です。前2作とは異なり、劇場で公開された本作は、シリーズの第1部完結編という位置づけでもあります。2008年10月24日にアメリカで、翌2009年2月7日には日本で公開され、多くのファンを魅了しました。

監督と振付は前作に引き続きケニー・オルテガが担当し、おなじみのメインキャストも再集結。さらにオーディションで選ばれた3人の新キャラクターも加わり、物語に新たな彩りを添えています。

物語は、高校最後の年を迎えたトロイ、ガブリエラ、そしてワイルドキャッツのメンバーたちの物語から始まります。バスケットボールの決勝戦で敗れたことから始まる物語は、卒業を間近に控えた彼らの進路や、それぞれの恋の行方、そして友情の深まりを描いています。

トロイはバスケットボールの才能を買われ、父親の期待もあってアルバカーキ大学への進学を勧められます。一方、ガブリエラはスタンフォード大学から奨学金を得ていますが、その場所はトロイのいる場所から遠く離れていました。離れ離れになることを惜しみながらも、互いに将来の夢を応援し合う姿は、見ている者の心を温かくします。

そんな中、ワイルドキャッツの面々は卒業を目前に控えた春のミュージカルへの出演を決意します。ミュージカルのテーマは「シニアイヤー（卒業の年）」、そして、ジュリアード音楽院の奨学生選考員がコンサートに訪れることが発表されます。

奨学生の候補者には、シャーペイ、ライアン、ケルシーに加え、トロイも含まれていました。トロイ自身は応募した覚えがなく戸惑いますが、この機会をきっかけに、彼は自身の才能と将来について改めて考え始めることになります。

本作では、おなじみのキャラクターたちのその後も描かれています。卒業後は、トロイはガブリエラに近いカリフォルニア大学へ、ガブリエラはスタンフォード大学へ進学。シャーペイはアルバカーキ大学の美術学部へ、ライアンはジュリアード音楽院へダンスで推薦入学、ケルシーはジュリアード音楽院へピアノで推薦入学します。チャドはアルバカーキ大学へバスケットボール推薦で進学し、テイラーはエール大学の政治学科へ進学します。ジークはシェフの道へ、マーサはラヴァースプリングスカントリークラブのキッチンスタッフへ、ジェイソンは同クラブのウェイターとしてそれぞれの道を歩み始めます。

さらに今作では、3人の新キャラクターが登場します。トロイたちの後輩であるワイルドキャッツのメンバー、ジミーとドニー、そしてロンドンの演劇学校から編入してきたティアラです。彼らはワイルドキャッツのメンバーとして、ミュージカルの成功に貢献し、物語に活気をもたらします。

本作は、単なるミュージカル映画の枠を超え、友情、恋愛、進路選択など、誰もが経験する青春の葛藤と成長を描いた、心温まる物語です。華やかなミュージカルシーンと、キャストたちの熱演が相まって、観客を感動の渦へと巻き込みます。

興行面でも大成功を収め、北米ではミュージカル映画として歴代最高のオープニング興行収入を記録しました。日本でも、主演俳優の来日イベントが開催されるなど、大きな話題となりました。

『ハイスクール・ミュージカル/ザ・ムービー：シニアイヤー』は、青春の輝きと感動、そして未来への希望を胸に抱かせる、忘れられない作品です。

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