ハイメ・デ・ボルボン (セゴビア公)

ハイメ・デ・ボルボン・イ・バッテンベルグの生涯

ハイメ・デ・ボルボン・イ・バッテンベルグ（Jaime de Borbón y Battenberg）は、1908年6月23日にスペインのラ・グランハ宮殿で誕生しました。彼はスペイン王であるアルフォンソ13世と王妃ビクトリア・エウヘニアの次男であり、その生まれ持った王族の血筋が彼の人生に多くの影響を与えることとなります。

幼少期に手術を受けたことにより、ハイメは聾唖となりました。この障害は彼の生涯において時折困難を伴いましたが、彼はそれを乗り越えました。1933年6月、彼は自らの意志でスペイン王位継承権を放棄することを表明し、その際に父王からセゴビア公（Duque de Segovia）の称号を授けられました。

アルフォンソ13世が1941年に亡くなった後、ハイメは王族としての地位を継承しました。彼はフランス王として宣言し、「アンジュー公アンリ」と名乗りました。また、彼はフランスの正統王党派から、フランス王アンリ6世またはジャック２世と呼ばれました。

ハイメは1935年にフランス貴族のエマニュエル・ド・ダンピエールと結婚し、二人の間には二人の息子、アルフォンソ（1936年 - 1989年）とゴンサーロ（1937年 - 2000年）が生まれました。しかし、1947年に離婚。彼の離婚は1949年にイタリアの裁判所で認められましたが、スペインの裁判所では承認されませんでした。それにもかかわらず、ハイメは同年にインスブルックで歌手シャルロッテ・ティーデマンと再婚しましたが、カトリック教会や正統王党派の間ではエマニュエルが彼の妻であり続けたとされます。

1949年12月6日、ハイメは亡き兄アルフォンソに続く王位継承権を有すると表明。1964年にはカルリスタのスペイン王家家長となり、マドリード公を称しました（ハイメ4世として知られる）。しかし、1969年には長男アルフォンソの提案により、フランコ政権下のスペイン王は甥のフアン・カルロス1世であるとの見解を示しました。ただし、フランス王位に関する権利については放棄を認めず、その権利はジャック2世とその子孫に引き継がれると主張し続けました。

1975年、ハイメはスイスのザンクト・ガレン州立病院で息を引き取りました。彼の遺体は甥のフアン・カルロス1世の許可を得て、エル・エスコリアル修道院に埋葬されることになりました。

彼の人生は、王族としての特権と同時に、個々の選択と時代の流れに抗う苦難に満ちていました。また、その生涯は複雑な家族関係や政治的背景によって色づけされており、スペインの歴史において重要な位置を占めています。

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