ハウエル・コブ

ハウエル・コブについて

ハウエル・コブ（Howell Cobb, 1815年9月7日 - 1868年10月9日）は、アメリカ合衆国の著名な政治家であり、主に財務長官としての役割が知られています。彼の政治キャリアは多岐にわたり、南北戦争の時代において重要な役割を果たしました。

青年期

コブは1815年、ジョージア州コブハムで誕生しました。アセンズで育った後、フランクリン大学（現ジョージア大学）で法律を学び、1834年に卒業しました。1836年には弁護士として資格を得て、翌年よりジョージア州西部の巡回裁判所で職務に就きました。彼は1841年にその職を離れるまで、法律の実務に従事していました。

議会議員としての活動

コブは1840年に連邦議会下院議員選挙に挑戦するも失敗。しかし、1842年の選挙では当選を果たし、以降1851年までの4期にわたり勤めました。彼はアンドリュー・ジャクソンを支持し、米墨戦争中にはジェームズ・ポーク政権を支える活動を行いました。また、奴隷制の拡張を支持し、アーカンソー州、フロリダ州、テキサス州の連邦編入を推進しました。彼は第31回連邦議会では下院議長を務め、特に1850年の妥協の成立において重要な役割を果たし、高く評価されました。

知事としての功績

1851年に連邦議会を辞任した後、コブはジョージア州に戻り、同年に州知事に選出されました。彼は州の権限拡大を図り、1853年までその職を務めました。その後、1855年に再び下院議員に選出され、1857年まで活動を続けました。

財務長官としての任期

1857年、ジェームズ・ブキャナンが大統領に就任する際、コブは財務長官として選任されました。着任後、彼は前任者ジェイムズ・ガスリーの方針を引き継ぎ、国庫の余剰金を活用して商業銀行から国債を買い戻す戦略を推進しました。これにより、資金の流通を促進しましたが、同時期に発生した1857年恐慌により、状況は一変。国庫余剰金は減少し、最終的には国債を商業銀行に販売する必要に迫られました。恐慌の影響で南部の税収が減少し、コブは高い関税の導入を提案も議会に却下されました。

南部連合への参加

1860年、民主党が分裂し、南部民主党に加わったコブは、リンカーンの当選を受けて連邦離脱を決断し、財務長官を辞任しました。その後、ジョージア州の連邦離脱を主導し、南部連合に参加。臨時議会の議長として、連合国の設立にも貢献しました。その後、南北戦争において准将として戦闘に参加し、特にサウスマウンテンの戦いで重要な役割を果たしました。

晩年の活動

戦後、コブは合衆国に投降し、アンドリュー・ジョンソンから恩赦を受けて弁護士活動に復帰しました。ジョンソンの行政の中で、財務問題の処理にも関与しました。1868年、ニューヨーク市にて逝去し、ジョージア州アセンズに埋葬されました。

コブの生涯は、アメリカの歴史における重要な政治的な時代を反映しており、彼の決断や行動は、当時の国家に大きな影響を与えました。

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