ハウデン・ガンレイ

ジェームズ・ハウデン・ガンレイ：ニュージーランドが生んだF1レーサーの軌跡

1941年、ニュージーランドのハミルトンに生まれたジェームズ・ハウデン・ガンレイは、1955年のニュージーランドグランプリ観戦がきっかけでモータースポーツの世界に足を踏み入れました。若き日のガンレイは、ワイカト・タイムスやスポーツカー・イラストレイテッドといった媒体でジャーナリストとして活躍した後、1960年にレーシングドライバーとしてのキャリアをスタートさせます。

F3を経て、1970年にはヨーロッパF5000選手権に参戦。チャンピオンのピーター・ゲシンに次ぐ2位という好成績を残し、その才能を証明しました。そして1971年、BRMチームから念願のF1デビューを果たします。

南アフリカグランプリでF1キャリアをスタートさせたガンレイは、イタリアグランプリで5位入賞を果たし、チャンピオンであるゲシンとわずか0.61秒差という接戦を演じました。アメリカグランプリでは4位入賞、さらにインターナショナル・ゴールドカップでは2位表彰台を獲得するなど、その年の活躍が認められ、シーズン終了後にはヴォルフガング・フォン・トリップス・メモリアルトロフィーを受賞しました。

翌1972年も、ドイツグランプリ4位、オーストリアグランプリ6位とポイントを獲得する活躍を見せますが、オートスポーツ誌の写真撮影のため私有地を走行させたことが原因でBRMから解雇されてしまいます。しかし、その才能は他のカテゴリーでも発揮され、スポーツカーレースの最高峰であるル・マン24時間レースにはマトラから参戦。名ドライバー、フランソワ・セベールとペアを組み、総合2位という素晴らしい結果を残しました。

1973年にはイソ・マールボロに移籍。カナダグランプリでは6位入賞を果たし、この年唯一のポイントを獲得しました。このレースではセーフティカーの運用ミスにより順位が大きく入れ替わり、当初はガンレイが2位と発表されていたほどです。1974年にはマーチを経て日本の新興コンストラクター、マキに移籍。イギリスとドイツグランプリに参戦しますが、予選落ちに終わり、ドイツグランプリでは予選中の事故により両足を骨折。これがF1キャリアの終わりとなりました。

F1ドライバーとしてのキャリアを終えた後も、ガンレイのモータースポーツ界への貢献は続きます。1976年には元F1ドライバーのティム・シェンケンと共にレーシングチーム・コンストラクターであるタイガ・レースカーズを設立し、1987年まで運営に携わりました。さらに、1976年から1977年まではマーチのテストドライバーを務めるなど、長年にわたりモータースポーツ界に貢献し続けました。1978年のCan-Am参戦を最後に現役を引退。しかし、2014年のグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードではマキ・F101をドライブし、その健在ぶりを披露しました。

ジェームズ・ハウデン・ガンレイは、F1ドライバーとしての華々しい活躍だけでなく、チームオーナー、テストドライバーとしてモータースポーツ界に多大な貢献を果たした人物です。彼の名は、ニュージーランドが生んだ偉大なレーシングドライバーとして、いつまでも記憶されることでしょう。 彼の功績は、F1という世界だけでなく、ル・マン24時間レースでの好成績や、タイガ・レースカーズの設立など、様々な場面で輝きを放っています。 彼の名前の表記には複数のバリエーションがありますが、その活躍は常に人々の記憶に残るものでした。

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