ハウリングIII

ハウリングIII: 野生の本能

『ハウリングIII』は、1987年に制作されたオーストラリア製のホラー映画です。本作は、人気のホラーシリーズ「ハウリング」の第3弾であり、前作との喪失感を払拭する新たなストーリーが展開されます。監督のフィリップ・モーラは、この作品で前作との繋がりを持たず、独自の物語を創り出しました。

ストーリー概要

物語はオーストラリアを舞台に、ハリー・ベックマイヤーという人類学者が1905年の資料の中に映し出された狼男のフィルムに気づくことから始まります。彼はその後、人狼による殺害事件についての情報を耳にし、そのことを大統領に報告しますが、実際には無視されてしまいます。

この事件を追う一方で、映画監督ジャックのもとで助監督を務めるドニーは、能力ある俳優を探すため公園を訪れ、偶然に美少女のジュボアをスカウトします。ジュボアは独特な背景を持ち、実は人里離れた村に住む狼女であり、なんとフクロオオカミの血を引いています。彼女には小さな袋があり、そこから自らの秘密を明かします。

やがて、ジュボアの村に人狼が現れ、恐ろしい大量殺人事件が引き起こされるのです。この事件を受け、ハリーを始めとする科学者たちは人狼研究に乗り出し、さらに大統領までもが状況を認識させられ、政府は人狼撲滅部隊を編成します。

キャラクターとキャスト

映画には印象的なキャラクターが多数登場します。人類学者のハリー・ベックマイヤーは、バリー・オットーが演じ、その役柄には深みがあります。また、ジュボアはイモージェン・アンズリーが演じ、彼女の怪異な背景が物語を一層盛り上げます。ほかにも、ドニー役のリー・バイオロスや、ジャック役のフランク・スリングなど、個性豊かなキャストが魅力を発揮しています。

製作の背景

『ハウリングIII』は、日本では劇場未公開となりましたが、1994年6月には『木曜洋画劇場』で日本語吹替版が放送されました。フィリップ・モーラ監督は、前作に不満を抱き、リメイクの形で本作を製作したと言われています。この背景が、シリーズに新たな色を加えたのです。

本作は、視覚的にも斬新であり、ホラー映画としても新しい視点を提供します。人狼という神秘的な存在が人間社会にどのように侵食していくのか、そしてそれに対抗する人々の姿が描かれ、観客に深い印象を残します。さらに、淡々とした中に潜む恐怖感や、異なる文化との対峙が、映画全体を通してのテーマとなっています。

ハウリングIIIはオーストラリアのホラー映画として、その独特な設定やキャラクター、複雑な人間関係を通じて、観る者に恐怖をもたらす作品です。

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