ハザマ (囲碁)

囲碁における「ハザマ」とは、盤上で横に二路、縦に二路離れた二つの石の間にある地点を指します。例えば、ある黒石から見て、斜め方向に二路離れた場所に別の黒石がある場合、その二つの石の間にある空間がハザマとなります。

このハザマを作るように石を打つことを「ハザマトビ」と言います。一方、ハザマになっている空間に石を打ち込むことを「ハザマを衝く」と表現します。ただし、文脈によっては、ハザマトビとハザマを衝く両方の意味で単に「ハザマ」と表記されることもあります。

ハザマは、単に石と石の間にある空間というだけでなく、戦略的な意味合いも持っています。ハザマトビは、一見すると相手に隙を見せているように見えますが、実は高度な戦術として用いられます。なぜなら、ハザマトビは、すぐに連絡が絶たれる可能性のある手であり、相手にハザマを衝かれた時の対策を事前に講じておく必要があるからです。つまり、ハザマトビは、相手に「誘いの隙」を見せながら戦う、高度な駆け引きの手段と言えます。

例えば、小目定石において、白がハザマトビを打つことがあります。もし、黒がすぐにハザマを衝いてきた場合、白はそこから突き抜けることで、強い厚みを築くことができます。また、隅にはまだ完全に地になっていない部分が残るため、白にとって有利な展開に持ち込むことができます。

このように、ハザマは囲碁において、単なる空間以上の意味を持ちます。ハザマトビとハザマを衝くという二つの概念を理解することで、より深く囲碁の戦略を理解することができるでしょう。ハザマは、相手を誘い込むための罠として、また、自分の勢力を拡大するための手段として、様々な局面で活用されます。そのため、囲碁を学ぶ上で、ハザマの概念を理解することは非常に重要です。

ハザマの活用は、一見すると危険な手に見えることもありますが、その背後には、緻密な計算と戦略が存在します。ハザマトビは、相手の反応を予測し、それに対する対策を講じておくことで、有効な戦術として機能します。ハザマを理解することで、囲碁の奥深さをより一層感じることができるでしょう。

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