ハッピーエンドへの期待は

マカロニえんぴつ『ハッピーエンドへの期待は』

マカロニえんぴつが世に送り出したオリジナルアルバム『ハッピーエンドへの期待は』は、彼らにとってメジャーデビュー後初となる記念すべきフルレングスの作品です。バンドがこれまでに発表してきたオリジナルアルバムとしては、通算で3枚目にあたります。このアルバムは、前作のミニアルバム『愛を知らずに魔法は使えない』からおよそ1年2ヶ月の時を経て完成しました。フルアルバムとしては、インディーズ時代にリリースされた名盤『hope』以来、実に約2年ぶりとなる待望の作品となりました。

本作には、彼らの音楽的な軌跡と新たな挑戦が詰まった、多彩な楽曲が全14曲収録されています。先行配信され、同日にはミュージックビデオも公開されたアルバムの表題曲「ハッピーエンドへの期待は」をはじめ、以前の作品にも収録され多くのファンに親しまれている代表曲「生きるをする」や「mother」が改めて収められています。また、このアルバム以前にシングルとして発表され、ヒットを記録した楽曲群も多数含まれています。

収録曲の中には、バンドのギタリストである田辺由明氏が作曲を担当した「TONTTU」のような、メンバー個々の才能が光る楽曲も収められています。さらに、人気アーティストであるDISH//|DISH__へ提供した楽曲「僕らが強く。」を、バンド自身がセルフカバーしたバージョンも収録されている点は特筆すべきでしょう。これは、彼らのコンポーザーとしての才能を示すと共に、原曲とは異なるバンドならではのサウンドで楽曲の新たな魅力を引き出しています。このように、既発のヒット曲から最新の書き下ろし、他アーティストへの提供曲のセルフカバーまで、幅広いテイストの楽曲がこの一枚に凝縮されています。

特に、このアルバムの初回限定盤や特典付き盤に付属するBlu-rayやDVDディスクには、ファン垂涎のライブ映像が多数収録されています。その中でもメインとなるのは、2021年5月23日に神奈川県の横浜アリーナで開催された「マカロックツアーvol.11 〜いま会いに行くをする篇〜 」最終公演のライブ映像です。この映像では、その日のステージで披露された「生きるをする」「遠心」「眺めがいいね」「溶けない」「恋人ごっこ」「STAY with ME」「春の嵐」「mother」「メレンゲ」「八月の陽炎」「ルート16」「ノンシュガー」「ブルーベリー・ナイツ」「カーペット夜想曲」「ミスター・ブルースカイ」「はしりがき」といった、彼らのライブの定番曲から当時の最新曲までを含む、迫力満点のパフォーマンスが余すところなく記録されています。

さらに、特典映像には、埼玉県春日部市で行われたスペシャルライブ「マカロックツアーEXTRA in 春日部 ～しんちゃんも遊びに来るゾ！オラたちとおしり合いになってクレヨン♡篇～」からの一部映像も含まれています。こちらには、「はしりがき」「レモンパイ」「オラはにんきもの」といった楽曲のパフォーマンスが収録されており、彼らのライブにおける遊び心や多様なエンターテイメント性が垣間見えます。加えて、アルバムの発売を記念して開催されたオンラインイベント「『ハッピーエンドへの期待は』発売記念 『逆境を乗り越えてハッピーエンドになれ！』」の映像も収録されており、ファンにとっては楽曲だけでなく、彼らの活動全体に深く触れることのできる、大変貴重な内容となっています。

『ハッピーエンドへの期待は』は、マカロニえんぴつがメジャーフィールドでの地位を確固たるものにする過程でリリースされた、彼らの充実ぶりを示す重要な作品です。これまでのヒット曲に加え、新たな挑戦を盛り込んだ楽曲、そして熱気あふれるライブ映像を網羅したこのアルバムは、バンドの多様な魅力を多角的に堪能できる一枚であり、彼らの今後のさらなる活躍を予感させるマイルストーンとなるでしょう。

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