ハネジロペンギン

ハネジロペンギン（Eudyptula albosignata）

ハネジロペンギンは、コガタペンギン属に分類される小型のペンギンです。別名として、ハネジロコビトペンギン、マガイコビトペンギン、シロツバサペンギンとも呼ばれます。ニュージーランドの先住民マオリ族は、コガタペンギンと区別せず「コロラ」と呼んでいます。

分布

ハネジロペンギンは、ニュージーランド南島のバンクス半島、モトナウ島、および北カンタベリー海岸という、非常に限られた地域でのみ繁殖します。この限られた分布域が、本種の保護を考える上で重要な要素となっています。

形態

体長は40〜45cmと小型で、コガタペンギンよりもやや大きいのが特徴です。フリッパー（翼）の白い縁取りが、コガタペンギンよりも幅広く、外見上の大きな違いとなっています。

生態

ハネジロペンギンの生態はコガタペンギンとよく似ています。明け方に海に出て、日没後に陸に戻るという生活パターンを持っています。上陸に適した暗さになるまで、沖合で群れを作って待機する習性があります。

繁殖期はコガタペンギンよりもやや短く、産卵は7月から12月にかけて行われますが、特に8月から11月にかけてがピークです。巣は砂丘や斜面の茂みの下に作られます。卵は33〜39日で孵化し、雛は50〜65日で巣立ちます。食性は動物食で、主に小型の魚類を捕食します。狩りは海岸から25km程度の範囲で行われますが、最長で75kmまで遠出することもあります。

保護上の位置づけ

ハネジロペンギンは、ニュージーランド本島において、外来種による被害が深刻で、個体数が減少しています。絶滅した繁殖地も存在し、現在、最も絶滅が心配されているペンギンの一種として、絶滅危惧種に指定されています。保護対策が急務とされています。

分類学説

ハネジロペンギンの分類については、一部の学者によってコガタペンギンの亜種とする説も存在します。しかし、ニュージーランドの専門家の多くは、コガタペンギンとは異なる独立種であると主張しています。本稿では、ハネジロペンギンの研究者であるクリス・チャリス博士の見解に基づき、ハネジロペンギンを独立種として扱います。

ハネジロペンギンの保護には、生息地の保全と外来種の駆除が不可欠です。今後の研究と保護活動により、この希少なペンギンの未来が守られることを願います。

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