ハバナ・ジャム II (アルバム)

ハバナ・ジャム 2 (Havana Jam II)

『ハバナ・ジャム 2』は、1979年3月2日から3月4日にかけて、キューバの首都ハバナにある由緒あるカール・マルクス劇場で行われた国際的な音楽イベント「ハバナ・ジャム」の模様を捉えた貴重なライブ・アルバムです。

このイベントは、当時冷戦下にあったアメリカ合衆国とキューバという、政治体制の異なる二国間の文化交流の象徴として企画されました。アメリカ側のジャズ、フュージョン、ロックといった多様なジャンルのトップアーティストと、キューバを代表する実力派ミュージシャンたちが一堂に会し、まさにジャンルや国境を超えた音楽的な対話が繰り広げられました。そのセッションの中から特に優れたパフォーマンスを選りすぐり、同時発売された『ハバナ・ジャム』と対をなす形でリリースされたのが本作『ハバナ・ジャム 2』です。

会場となったカール・マルクス劇場には連日多くの聴衆が詰めかけ、出演者たちは熱気あふれる演奏を披露しました。本作には、その白熱したライブの臨場感が克明に記録されています。残念ながら、この歴史的なイベントの全貌を収めた公式な映像作品は現在に至るまで発売されていませんが、開催当時の地上波テレビ放送で一部がダイジェスト形式で紹介されたことは、その注目度の高さを物語っています。

出演アーティスト

『ハバナ・ジャム 2』には、当時の音楽シーンを牽引していた錚々たるアーティストが名を連ねています。主な参加者は以下の通りです。

CBS Jazz All-Stars: アメリカを代表するレコードレーベル、CBS（現在のソニー・ミュージック）傘下のジャズ・アーティストたちで構成されたスペシャルユニット。
Cuban Percussion Ensemble: 卓越したテクニックを持つキューバのパーカッション奏者たちによるアンサンブル。
Irakere: キューバ音楽界を代表するバンドの一つで、ジャズ、ロック、伝統的なキューバ音楽を融合させた革新的なサウンドで知られています。
Trio of Doom: ジョン・マクラフリン（ギター）、パコ・デ・ルシア（フラメンコギター）、ラリー・コリエル（ギター）という、異なるバックグラウンドを持つ3人のギタリストによる伝説的なトリオ。彼らの共演は特に注目を集めました。
Weather Report: ジョー・ザヴィヌルとウェイン・ショーター率いる、フュージョン・ミュージックの金字塔的なバンド。

これらのアーティストたちが、それぞれ単独で、あるいは互いに交流しながら演奏を披露しました。特に、アメリカとキューバのミュージシャンによるクロスオーバーセッションは、このイベントの最大の聴きどころと言えるでしょう。

制作スタッフ

アルバムの制作には、当時の最高のエンジニアやプロデューサーが携わっています。

プロデュースはバート・デ・コトーとマイク・バーニカー。
レコーディング・エンジニアはスタン・トンケルとラス・ペイン。
ミキシングと編集はフランク・ライコとテッド・ブロスナン。
マスタリングはウラジミール・メラーが担当。
音楽監督はジョージ・バトラー博士が務めました。
A&Rマネージャーはジム・フィシェル。
写真はベノ・フリードマンによるものです。

録音はイベントが開催された1979年3月2日から4日にかけて、カール・マルクス劇場にてライブで行われました。

『ハバナ・ジャム 2』は、単なるライブアルバムとしてだけでなく、冷戦時代の国際関係における音楽の持つ力、そして多様な文化が触れ合った瞬間の熱量を伝える歴史的なドキュメントとしても価値のある作品と言えるでしょう。収録内容や発売に関する詳しい情報は、ソニー・ミュージックのディスコグラフィやDiscogsなどの外部サイトでも確認できます。

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