ハモグリバエ

ハモグリバエとは

ハモグリバエ（葉潜り蝿）は、ハエ目ハモグリバエ科（学名：Agromyzidae）に属する昆虫の総称です。世界中で約2500種が確認されており、様々な植物に被害を及ぼします。

特徴

ハモグリバエの幼虫は、植物の葉の内部にトンネルを掘るように食害します。この食害痕は「絵描き虫」とも呼ばれ、葉の表面に白い線状の模様として現れます。食害が進むと、葉の光合成能力が低下し、植物の生育不良や収量減少につながる可能性があります。

農作物への影響

ハモグリバエは、多くの農作物に被害を及ぼす農業害虫として知られています。特に、ナス、トマト、キュウリ、カボチャなどの野菜や、キク、カーネーションなどの花卉類への被害が深刻です。

日本での発生状況

日本では、1990年代からハモグリバエによる被害が報告されるようになりました。当初は、特定の地域での発生が中心でしたが、現在では全国的に分布を広げています。

防除対策

ハモグリバエの防除には、様々な方法があります。

耕種的防除: 発生源となる雑草の除去、被害を受けた葉の早期除去などを行います。
物理的防除: 防虫ネットの設置、粘着シートの利用などにより、ハモグリバエの侵入を防ぎます。
化学的防除: 殺虫剤を使用し、ハモグリバエを駆除します。1999年にはシロマジンがナス、トマト、カボチャに対する本種の防除剤として農薬登録され、効果を上げています。
生物的防除: ハモグリバエの天敵である寄生蜂や捕食性昆虫を利用します。

ハモグリバエの種類

ハモグリバエ科は、Agromyzinae亜科、Phytomyzinae亜科などに分類されます。

主な種類として、以下のようなものが挙げられます。

Chromatomyia属
ナモグリバエ Chromatomyia horticora
Liriomyza属
トマトハモグリバエ Liriomyza sativae
マメハモグリバエ Liriomyza trifolii
Phytomyza属
Phytomyza ilicis*

見分け方

ハモグリバエの種類によって、食害痕の形状や寄生する植物が異なります。そのため、被害状況をよく観察し、種類を特定することが重要です。種類を特定することで、より効果的な防除対策を立てることができます。

参考資料としてハモグリバエ類の見分け方などの情報も公開されています。

ハモグリバエの被害に悩まされている場合は、これらの情報を参考に、適切な防除対策を講じるようにしましょう。

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