ハリケーン・アイク

ハリケーン・アイクの概要

ハリケーン・アイクは、2008年9月に西アフリカの海岸で発生した大型のハリケーンで、2008年度の大西洋ハリケーンシーズンにおいては9番目のトロピカルストームにあたります。その後、5番目のハリケーンとして分類され、3番目に大型のハリケーンとして知られています。

発生と進展

アイクは2008年9月2日、アフリカ西海岸でトロピカル・デプレッションとして発生しました。この海域ではカーボベルデ・ハリケーンとして知られるハリケーンが過去も多く発生しており、カテゴリ4以上に発達することが多いです。その同日にアイクはトロピカル・ストームに変わり、9月4日にはハリケーンに昇格。急速に発達し、カテゴリー4に達しました。その後、一時的にカテゴリー2に弱まりましたが、再びカテゴリー4に戻りました。

9月7日、アイクはカテゴリー4の強さでキューバ東部に上陸しました。翌日、キューバ西部にも再度上陸しました。当初、フロリダ州に向かう予想だったアイクは、南西へ進路を変更し、キューバに直撃する形となりました。この2回の上陸により、アイクはカテゴリー1まで勢力を落としましたが、メキシコ湾に出た後、再発達を始めました。アイクは、2005年のハリケーン・カトリーナのように急激な強化は見せませんでしたが、強風域が広がっていきました。

テキサス州への影響

9月13日、アイクはカテゴリー2の強さでテキサス州ガルベストンに上陸しました。上陸時の中心気圧は950hPaであり、最大風速は95ktに達していました。アイクは他のハリケーンと比べて強風域が非常に広く、その影響は広範囲に及びました。

アイクは9月14日にアメリカ中西部へと進み、インディアナ州やオハイオ州にも強風をもたらしました。

大きな被害と影響

アイクの影響で、ハイチはフェイ、グスタフ、ハンナ、アイクの四つのハリケーンから直撃を受け、500人以上の犠牲者が出ました。アイクは、カトリーナやアンドリューに次いで、大西洋北部で史上3番目に大きな被害額を記録したハリケーンとなり、テキサス州ガルベストンでは1900年に発生したガルベストン・ハリケーン以来の大災害を引き起こしました。

特に高潮が影響し、308棟の建物や住宅が破壊され、UTMB大学病院は運営の継続が困難な状況に直面しました。ヒューストンでは高潮による被害と広域での停電が発生し、市民生活に大きな影響が出ました。ガルベストンとヒューストン地域では、84名が死亡し、2009年1月までに40名が行方不明となりました。

復旧とその後

インディアナ州やオハイオ州でも強風が影響し、100万世帯が停電し、復旧に約1週間を要しました。米政府は被害を受けたキューバに500万ドルの緊急援助を申し出ましたが、キューバ政府はこれを拒否しました。

また、2009年3月6日には、アイクによって漂流したオイルリグとタンカーが衝突し、事故が発生しましたが、幸運にも原油流出は防がれました。

最後に

国際名Ikeはこの年で引退し、代わりにIsaiasに変更されました。Ikeは、かつて1981年と1984年の台風名としても使用されたため、今回がハリケーンの名としても一代限りの使用となりました。

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