ハリーとトント

『ハリーとトント』

『ハリーとトント』（原題: Harry and Tonto）は、1974年に制作されたアメリカの映画で、人生の晩年を迎えた男性とその愛猫の旅を中心に描かれています。本作は第47回アカデミー賞でのアート・カーニーの主演男優賞受賞や、脚本賞の候補にもなったことで多くの注目を浴びました。

あらすじ

物語は、72歳の主人公ハリーが妻に先立たれ、独立した3人の子供たちと共にマンハッタンのアパートで愛猫のトントと生活しているところから始まります。しかし、区画整理の影響でアパートから立ち退くことを余儀なくされたハリーは、長男バートの家に移り住むことになりますが、そこでの生活には馴染むことができません。彼は次女のシャーリーを訪ねることを決意し、トントを連れたシカゴ行きの旅に出ることにします。

旅の途中でハリーは、飛行機やバスにトントを乗せることができないため、中古車を購入して移動を続けることになります。この旅ではさまざまな人々との出会いやエピソードが展開され、彼の人生についての深い考察や感情が描かれます。年老いてもなお、多くの経験や出会いを通じて自らを見つめ直し、家族への愛情や孤独感と向き合う姿勢が観る者の心を打ちます。

キャストと吹替

本作にはアート・カーニーがハリー役を、さまざまな魅力あるキャストが脇を固めています。また、1980年9月14日には日本語吹替版が放送され、『ハリーとトント　～翔んでるおじいちゃんのアメリカ横断』という題名で親しまれました。この放送は初回に二時間枠が設けられ、多くの視聴者から評価されました。さらに、2015年4月22日に発売されたブルーレイ版には、正味71分の90分枠版が収録されています。

まとめ

『ハリーとトント』は、人生の旅と人との関係性、そして猫との絆を描いた心温まる作品です。アカデミー賞という権威ある賞にも輝いたこの映画は、1970年代のアメリカ社会や文化を映し出しつつ、普遍的なテーマを持って多くの人々に愛され続けています。人生の豊かさや苦しみを教えてくれるこの作品は、時代を超えて観る人々の心に響くことでしょう。

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