ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団 (サウンドトラック)

サウンドトラック『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』の詳細

『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』は、J・K・ローリングの人気小説を原作とした映画のサウンドトラックであり、2007年にリリースされました。この映画はシリーズの5作目で、音楽は作曲家ニコラス・フーパーによって手がけられました。フーパーは、これまでの3作を担当したジョン・ウィリアムズと、4作目のパトリック・ドイルから音楽を引き継ぎ、本作に新たな音楽的息吹を吹き込むことになります。

作曲家ニコラス・フーパーの役割

フーパーは、デヴィッド・イェーツ監督との過去の協力経験を活かし、映画に合わせて新たなスコアを制作しました。特に、著名な「ヘドウィグのテーマ」を取り入れることで、シリーズの伝統を継承しつつも、自身のスタイルを加味しました。このテーマは、ジョン・ウィリアムズが『ハリー・ポッターと賢者の石』のために作曲したものであり、その後の映画でも重要な楽曲として使われています。

収録の過程

サウンドトラックの収録は、ロンドンのアビー・ロードスタジオにて行われました。作業は2007年の春、3月から4月にかけて行われ、フーパーは指揮者のAlastair King氏やロンドン室内管弦楽団と共に、約2時間に及ぶ音楽を録音しました。新たに作られた2つの主題は、登場キャラクターのドローレス・アンブリッジとヴォルデモートがハリーの心に侵入する場面の表現に寄与しています。また、独特の深みを持つパーカッション音を生み出すために、伝統的な日本の太鼓が使用されています。予告編では、X-Ray Dogの楽曲『Divine Crusade』が採用されていますが、こちらは『K-9 Empire』アルバムにも収録されています。

フーパーの作曲プロセス

フーパーは作曲にあたり、ウィリアムズの楽曲をじっくりと聴き込みました。その中でも特にお気に入りが『アズカバンの囚人』のスコアであり、自身の方向性に合うと感じたようです。しかし、最終的にはウィリアムズを模倣するよりも、自らの個性を前面に出すことを目指しました。彼は、「ウィリアムズの模倣は不可能であり、オリジナルの表現を追求するのが最良だと感じた」と語っています。

評価と反響

サウンドトラックの評価は賛否が分かれました。FilmtracksのChristian Clemmensenは4つ星の評価を付け、「ハリー・ポッターシリーズとしての一貫したテーマの表現が不十分」と指摘しています。一方、MovieCuesのArchie Wattは「悪いスコアではないが、前作と比較すると見劣りする部分も見られる」との意見を述べています。

収録曲の一覧

本作のサウンドトラックに収録されている楽曲は、映画内での使用順序とは異なる配置となっています。収録の順番は、3、4、17、15、10、13、2、16、5、8、9、14、1、11、6、12、7、18です。

特に「ダンブルドア軍団」は、『ハリー・ポッターと謎のプリンス』のクイディッチの試験シーンでも使用されています。加えて、「もうひとつの話」や「ホグワーツへの旅」などには、前作から引き継がれた「ヘドウィグのテーマ」が含まれています。「キス」という楽曲も、シリーズの後の作品『ハリー・ポッターと死の秘宝 Part 2』で再度メロディが使用されるなど、作品間での音楽の連続性が感じられます。

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