ハルキウ

ハルキウ

ハルキウ（ウクライナ語: Харків、英語: Kharkiv）は、ウクライナの北東部に位置する都市で、ハルキウ州の州都です。人口は約144万人で、首都キーウに次いで国内で二番目に大きな都市です。ロシア語ではハリコフ（Харьков）とも呼ばれています。この町は、歴史的に見ても重要な役割を果たしてきました。

歴史

ハルキウは17世紀中頃にウクライナ・コサックによって設立され、ロシア帝国の要塞として南部の軍事的拠点となりました。19世紀には工業都市としての発展が始まりました。ロシア人の入植が進み、同時に産業の発展によりユダヤ人人口も増加しました。

1917年から1934年にかけて、この都市はボリシェヴィキ・ソビエト勢力の拠点であり、ウクライナ人民共和国やウクライナ社会主義ソビエト共和国、ウクライナ・ソビエト社会主義共和国の首都としても機能しました。これにより、ロシア革命の影響から外れた都市として発展しました。

第二次世界大戦中には、ハルキウはドイツ軍に占領されることになり、数多くの住民が虐殺される悲惨な歴史もありました。戦後は、ソ連に抑留された日本人がこの地に送り込まれ、建設作業に従事しました。

現代の発展と挑戦

文化・教育の中心地としては、1805年に設立されたハルキウ大学が有名です。ハルキウはサッカー欧州選手権2012の開催地にも選ばれました。また、2014年には親ロシア派の活動が高まり、「ハリコフ人民共和国」の設立を宣言した事件もありましたが、これは比較的短期間で終息しました。

ロシアによるウクライナ侵攻が始まると、ハルキウは激しい戦闘の舞台となり、都市の重要なインフラが標的とされました。人口密集地を無差別に爆撃され、多くの住民が影響を受けました。

地理と気候

ハルキウは、ドネツ川の支流であるハルキウ川、ロパン川、ウドゥイ川の合流点に位置しています。気候は湿潤大陸性に分類され、冬は寒すぎず、夏もそれほど暑くはなりません。平均気温は1月で約-6.9℃、7月は20.3℃です。

人口動態

人口は過去数十年で減少傾向にあり、2023年時点で約115万人です。民族構成はウクライナ人が62.8％、ロシア人が33.2％を占めています。ソ連時代にはユダヤ人が多く住んでいましたが、その後の移住によりその割合は減少しています。

教育と交通

ハルキウには多くの大学があり、特に工学や医学の分野で名声があります。交通手段としては、鉄道、トラム、地下鉄があり、ハルキウ駅はウクライナ有数の大規模な駅です。市内には広範なトラム網が整備されています。

文化とスポーツ

サッカーは特に人気があり、地元チームがいくつかあります。ハルキウは多くの著名な人物を輩出しており、地歴的な背景から様々な文化が交じり合っています。

姉妹都市

ハルキウは、ボローニャ（イタリア）やシンシナティ（アメリカ）、ニュルンベルク（ドイツ）など、複数の姉妹都市を持ち、国際交流を推進しています。

このように、ハルキウはその豊かな歴史と文化、多様な民族構成、発展を続ける教育機関や産業をもつ都市として、ウクライナにとって重要な位置を占めています。

もう一度検索