ハローパーティー

ラジオ番組『ハローパーティー』は、1969年4月14日から1975年10月3日にかけて、およそ6年半にわたり文化放送の夕方の時間帯を彩った、若者向けの音楽バラエティプログラムです。当時のユースカルチャーを反映し、絶大な支持を得て、文化放送を代表する番組の一つとして記憶されています。

この番組は、それまで放送されていた『電話リクエスト ハローポップス』のコンセプトを発展させる形で誕生しました。最大の特徴は、原則として観客をスタジオに招いて行う公開生放送という形式でした。これにより、リスナーは単にラジオを聴くだけでなく、スタジオの熱気や臨場感を共有することができ、番組への一体感を強く感じることができました。このライブ感こそが、番組が成功した大きな要因の一つと言えるでしょう。

番組の核となったのは、リスナーからの電話による楽曲リクエストです。これに加えて、アマチュアバンドの演奏対決や、イントロを聞いて曲名を当てるクイズなど、リスナーが積極的に参加できる多様な企画が展開されました。こうした参加型の企画は、当時の若者たちの間で大きな盛り上がりを見せました。また、当時の文化放送は、プロ野球のシーズン中でも他局のように試合中継に時間を割かず、この『ハローパーティー』を通年で放送するという独自の編成を行っていました。この一貫した放送姿勢が、リスナーにとって番組が「いつでもそこにある」安心感を与え、固定ファン層を確実に掴むことにつながりました。

番組の「顔」を務めた初代パーソナリティは、文化放送アナウンサー（当時）の土居まさる氏でした。彼は前番組から引き続いてマイクの前に立ち、その親しみやすい人柄と巧みな話術で番組の人気を牽引しました。土居氏が不在の際には、みのもんた氏、橋本テツヤ氏、せんだみつお氏といったタレントたちが代役を務めました。特にせんだみつお氏は、後にレギュラーパーソナリティとして月曜日と火曜日（時期により水曜日も）を担当し、番組後期にはかまやつひろし氏や山本雄二氏もパーソナリティとして加わるなど、パーソナリティ陣も時代とともに変化していきました。

放送時間は、開始当初の月曜日から金曜日まで、夜7時から8時10分という編成から、1969年10月以降は夕方6時45分から夜8時へと変更され、最終回までこの時間帯で放送されました。また、平日の帯番組に加え、1969年10月から数ヶ月間は『土曜版』が、そして1970年10月からは『土居まさるのハローサタデー』が土曜日の夕方から夜にかけて放送され、週末にも番組の世界観が広がりました。

番組を構成するコーナーも多岐にわたりました。その日のヒットチャートを紹介する「今日のベストテン」は人気コーナーの一つでした。中でも特筆すべきは「東西リクエスト合戦」で、これは関西のラジオ大阪（OBC）にも同時ネットされ、関東と関西のリスナーがリクエスト数などを競い合うというユニークな企画でした。他にも、放送初期には占い師の野末陳平氏による「コンピューター占い」や、リスナーと電話で対戦する「電話でジャンケン」などが人気を博しました。番組の歴史の中で、「サウンドチャレンジ」「ヤング・ジョーカー」「ヒットステージ」「オー・フリー」「あちこち電話」「ミュージックなんだ」「ハガキで勝負」といった様々な企画が生まれ、常に新しい試みが行われていました。土曜日の『ハローサタデー』では、「ヤングのど自慢」「演芸劇場」「替え歌大合唱」といった、よりエンターテインメント色の強いコーナーが展開されました。

『ハローパーティー』は1975年10月にその歴史に幕を下ろしましたが、その電リクを中心としたリスナー参加型のスタイルや、明るい音楽バラエティというコンセプトは、その後の文化放送の番組にも影響を与え、後継ともいえる番組が生まれています。この番組が、当時の若者たちの間で音楽やエンターテインメントを共有する重要な場であったことは間違いありません。

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