ハローマゲドン

ハローマゲドンとは

ハローマゲドンとは、2002年7月31日に当時のハロー!プロジェクト（ハロプロ）のプロデューサーであったつんく♂によって発表された、ハロプロの大規模な再編・改変のことです。この発表は、当時のファンに大きな衝撃を与え、その規模の大きさから「ハルマゲドン（最終戦争）」になぞらえて、そう呼ばれるようになりました。また、略称として「ハロマゲ」という言葉も用いられています。

当初は発表日の日付から「7・31事件」とも呼ばれました。

発表の経緯

2002年7月31日、東京都港区のホテル日航東京（現ヒルトン東京お台場）で、モーニング娘。とハロプロキッズのメンバー全員、そしてつんく♂プロデューサーが一堂に会し、2003年正月公開の映画制作発表記者会見が行われました。その席で、ハロプロの大規模な再編が発表され、各種報道機関を通じて世間に伝えられました。この内容は、同年12月2日に発行された別冊宝島702「モーニング娘。バイブル2」でも詳しく取り上げられています。

再編の内容

具体的な改変内容は以下の通りです。

モーニング娘。のメンバーだった後藤真希が、2002年9月23日の17歳の誕生日をもってグループを卒業。
モーニング娘。のメンバーだった保田圭が、2003年春のコンサートをもってグループを卒業。卒業後は女優として活動。
半年以上先の卒業発表は当時としては異例であり、複数のメンバーの卒業が同時に発表されるのも初めてのことでした。
ユニット「タンポポ」のメンバーをリニューアル。飯田圭織・矢口真里・石川梨華・加護亜依から、モーニング娘。の石川梨華・紺野あさ美・新垣里沙、そしてメロン記念日の柴田あゆみの4人編成へ。
ユニット「プッチモニ」のメンバーをリニューアル。保田圭・後藤真希・吉澤ひとみから、モーニング娘。の吉澤ひとみ・小川麻琴とココナッツ娘。のアヤカの3人編成へ。
ユニット「ミニモニ。」のメンバーをリニューアル。矢口真里・辻希美・加護亜依・ココナッツ娘。のミカから、モーニング娘。の辻希美・加護亜依・高橋愛とココナッツ娘。のミカの4人編成へ。
矢口真里が、新たにハロプロキッズのメンバー数人とユニットを結成（後のZYX）。
タンポポとプッチモニのベストアルバムをリリース。
平家みちよがハロー!プロジェクトから卒業。
カントリー娘。に石川梨華（モーニング娘。）が2002年末をもって活動終了。翌年夏からカントリー娘。に紺野と藤本と再スタート

当時の反応

当時の報道では、「そもそもハロー!プロジェクトとは何か？」という説明から始めるものも多く、ハロプロの複雑な組織構成を各メディアが図解入りで解説しました。しかし、一部報道ではメンバーの名前を間違えるなどの誤りも見られました。また、発表当時は小泉内閣の「聖域なき構造改革」になぞらえるメディアもありました。

この再編と時期が近い出来事として、カントリー娘。のりんねと石井リカのハロプロ卒業も、ハローマゲドンの一部として語られることがあります。

ファンからの反発

この大規模な再編は、当時のファンから大きな反発を受けました。その理由は主に以下の点にあります。

改変後の具体的な活動予定が公式に発表されなかったこと。
プッチモニの改変は、保田圭と後藤真希のモーニング娘。卒業が理由付けとして理解できるものの、タンポポとミニモニ。については明確な理由が見当たらなかったこと。
タンポポとプッチモニへのモーニング娘。以外のハロプロメンバー（メロン記念日の柴田あゆみとココナッツ娘。のアヤカ）の加入。
保田圭の卒業理由が、これまで語られていなかった「女優になるため」とされたことへの不信感。
* メンバー自身も再編について十分に理解・納得していないように感じられたこと。

再編の成果と影響

複雑な改変だったため、ハロプロの組織構成を理解しているファン以外には理解を得られにくい部分が多くありました。

タンポポとプッチモニは、それぞれシングルCDとアルバムをリリースした後、活動を停止しました。一方で、この再編以降、ごまっとう、後浦なつみ、DEF.DIVAなど、期間限定ユニットが数多く誕生しました。

モーニング娘。卒業後の後藤真希は、ソロ活動と並行してユニット活動も行いましたが、ZYXは期待されたほどの成果を上げられませんでした。

この出来事を機に、ハロプロは新たな方向性を模索し始めました。また、「ハロー!プロジェクト」という名称が世間に広く認知されるようになったことも、この改変の成果と言えるでしょう。

モーニング娘。の卒業メンバーが、ソロやユニットで早期にアルバムをリリースするなど、卒業後のビジョンを示すようになりました。卒業発表が半年以上前になり、モーニング娘。またはハロー!プロジェクトのコンサートの最終日が「卒コン（卒業コンサート）」となり、人気の公演となりました。

売り上げの減少など改変による「負」の影響を嘆く意見がある一方、改変以降の視点で「その後のハロプロの状況から見れば、終末的雰囲気のハルマゲドンよりは始まりの意味で、ビッグバン」という意見もあります。

ハローマゲドンは、ハロプロ全体にとって大きな転換点となりました。

その後の動き

ハロー!プロジェクト・キッズからBerryz工房や℃-uteが誕生し、ハロプロ研修生制度が整備されるなど、新たなグループや組織が次々と生まれました。2009年には、つんく♂プロデュースにより、タンポポ、プッチモニ、ミニモニ。などが新メンバーで再結成されました。

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