ハワード・リンカーン

ハワード・チャールズ・リンカーンの生涯と業績

ハワード・チャールズ・リンカーンは1940年2月14日に生まれ、アメリカの弁護士であり実業家として活躍しました。特に任天堂のアメリカ現地法人であるNintendo of America（NOA）の元会長として知られています。また、シアトル・マリナーズの会長兼最高経営責任者（CEO）としても名を馳せています。リンカーンは、任天堂の創業者である山内溥が亡くなる2013年までその代理人としても重要な役割を果たしました。

幼少期と教育背景

カリフォルニア州オークランドに育ったリンカーンは、少年時代をボーイスカウトで過ごし、その活動が彼の価値観に影響を与えました。特に、13歳のときにノーマン・ロックウェルの有名な絵「The Scoutmaster」のポーズをとった写真が1956年のカレンダーに採用されたことが記録されています。彼は最終的にイーグル・スカウトの称号を取得し、Distinguished Eagle Scout Awardも受賞しています。

リンカーンは1957年にカリフォルニア大学バークレー校に入学し、1962年には政治学の学士号を取得しました。その後、1965年にはバークレーのロースクールで法学士号を取得します。1966年から1970年までの4年間、アメリカ海軍で法務官として勤務した後、シアトルの弁護士事務所に入社しました。

任天堂との関わり

彼が任天堂との関わりを持つきっかけとなったのは、NOAが『ドンキーコング』の海賊版問題に直面していたことです。この問題を解決するために、リンカーンの弁護士事務所がNOAに相談を持ちかけたのが始まりです。初めは単なるクライアントとして関わっていましたが、問題は次第に深刻になり、彼は経営に直接関与するべきとの判断を下します。1982年、当時NOA社長だった荒川實に勧誘され、リンカーンは法務担当副社長としてNOAに入社しました。

彼は以後、海賊版への厳しい姿勢を貫き、多くの案件の摘発に貢献します。特に1984年に行われたユニバーサル・シティ・スタジオ対任天堂裁判（通称ドンキーコング裁判）では、雇った弁護士ジョン・カービィと共にユニバーサルに勝訴し、その結果、任天堂の知的財産権が正当な形で守られました。

経営者としての役割

1994年にはNOAの会長に就任し、会社の経営を牽引しました。また、リンカーンはシアトル・マリナーズの会長兼CEOとしても活躍。2016年までその職を務め、チームの発展にも寄与しました。彼のリーダーシップのもと、任天堂やマリナーズはそれぞれの分野で重要な成長を遂げました。

リンカーンは、任天堂のアメリカ法人の発展に大きく寄与した人物として、今でも多くの人々に影響を与え続けています。

もう一度検索