ハンドメイド・フィルムス

ハンドメイド・フィルムス：ジョージ・ハリスンが設立した映画製作会社

ハンドメイド・フィルムスは、1978年に元ビートルズのジョージ・ハリスンが、弁護士のデニス・オブライエンと共同で設立したイギリスの映画製作会社です。コメディ集団モンティ・パイソンの問題作『ライフ・オブ・ブライアン』の製作を大手プロダクションが拒否したことが設立のきっかけとなりました。

設立の背景と概要

『ライフ・オブ・ブライアン』は、イエス・キリストの生涯をパロディとして描いた内容から、多くの製作会社が難色を示しました。ハリスンは、この作品の製作を支援するために、自身の資金を投じてハンドメイド・フィルムスを設立。これにより、『ライフ・オブ・ブライアン』は無事に製作・公開され、興行的にも成功を収めました。

その後、ハンドメイド・フィルムスは、イギリス映画界の斜陽とともに勢いを失い、1994年にカナダのパラゴン・エンターテインメントに売却されました。ハリスンは会社から完全に手を引き、オブライエンを不正利用で告訴するなど、その終焉は決して平穏なものではありませんでした。

主な作品

ハンドメイド・フィルムスは、設立から売却までの間に、数多くの作品を製作しました。以下に主な作品を挙げます。

ライフ・オブ・ブライアン (1979)
長く熱い週末 (1980)
バンデットQ (1981)
モンティ・パイソン・ライブ・アット・ザ・ハリウッド・ボウル (1982)
バッド・ガールズ (1982)
ストップ・ザ・売春天国 (1982)
ゲイ人大尉と兵隊ヤクシャ (1982)
冒険・冒険・大冒険／ホラ吹きキャプテンの大冒険 (1983)
最強最後の晩餐 (1984)
レゲエｄｅゲリラ (1985)
モナリザ (1986)
上海サプライズ (1986)
ウィズネイルと僕 (1987)
Bellman and True (1987)
The Lonely Passion of Judith Hearne (1987)
トラック２９ (1988)
ファイブ・コーナーズ／危険な天使たち (1988)
ジプシー／風たちの叫び (1988)
チェッキング・アウト (1988)
広告業界で成功する方法 (1989)
パウワウ・ハイウェイ (1989)
コールド・ドッグ・スープ (1989)
ナンズ・オン・ザ・ラン-走れ！尼さん- (1990)
Ｍｒ.デーヴ (1997)
ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ (1998)
Eloise: The Animated Series (TV) (2006)
マノレテ　情熱のマタドール (2007)
インファナル・ミッション　-テロ組織潜入スパイの真実- (2008)
プラネット51 (2009)
汚れなき情事 (2009)
* 127時間 (2010)

これらの作品の中には、現在では入手困難となっているものも少なくありません。しかし、その独特な作風と、イギリス映画界における重要な役割から、今なお多くの映画ファンに愛されています。

まとめ

ハンドメイド・フィルムスは、ジョージ・ハリスンという異色の人物が設立した映画製作会社として、その短い歴史の中で、数々の印象的な作品を世に送り出しました。その波瀾万丈な歴史は、イギリス映画史における一つの象徴として、記憶されるべきでしょう。

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