ハヴ・ア・ナイス・デイ (ボン・ジョヴィのアルバム)

ボン・ジョヴィの9枚目のスタジオ・アルバム『ハヴ・ア・ナイス・デイ』（Have A Nice Day）は、2005年9月14日にリリースされました。前作『バウンス』から3年ぶりとなる本作は、バンドの新たな方向性を示す重要な作品となりました。

2004年のデビュー20周年を記念したボックス・セット『ザ・プレミア・コレクション 〜100,000,000 ボン・ジョヴィ・ファンズ・キャント・ビー・ロング』の発表時、実はニュー・アルバムは一度完成していました。しかし、発売時期が延期されたため、新たにリック・パラシャーをプロデューサーに迎え、「ワイルドフラワー」「ラスト・シガレット」「ノヴォケイン」「ストーリー・オブ・マイ・ライフ」の4曲が制作されました。これらの楽曲は、日本盤のボーナス・トラックとして収録されています。

当初アルバムに収録予定だった「ダーティー・リトル・シークレット」「アンブレイカブル」「ジーズ・オープン・アームズ」といった楽曲も存在しました。また、「ナッシング」という曲は、「ナッシング・ウィズアウト・ユー」とタイトルを変えられ、『アメリカン・アイドル』シーズン4の準優勝者であるボー・バイスに提供されました。さらに、「ジーズ・オープン・アームズ」は、『アメリカン・アイドル』シーズン2の準優勝者、クレイ・エイケンに提供されています。ボン・ジョヴィ自身も『アメリカン・アイドル』シーズン6にゲスト出演し、楽曲が課題となった参加者たちにアドバイスを送りました。

『ザ・プレミア・コレクション』にも収録されていた「ラスト・マン・スタンディング」は、本作でロック調にアレンジされ、テンポも速くなっています。このアレンジの変化も、アルバムの聴きどころの一つです。

アルバムはオリコンアルバムチャートで初登場1位を獲得し、1995年発売の『ジーズ・デイズ』以来、10年ぶり3枚目の首位となりました。先行シングル「ハヴ・ア・ナイス・デイ」もオリコンシングルチャートで10位にランクインし、洋楽バンドとしては23年ぶりのTOP10入りという快挙を達成しました。

アメリカでは、カントリー調にアレンジされ、ジェニファー・ネトルズとデュエットした「フー・セズ・ユー・キャント・ゴー・ホーム（デュエット・ウィズ・ジェニファー・ネトルズ）」が、ロックバンドとしては初のビルボード・カントリーチャート1位を獲得。第49回グラミー賞では「ベスト・カントリー・コラボレーション・ウィズ・ボーカルズ」部門を受賞しました。この成功が、次作『ロスト・ハイウェイ』の制作へと繋がっていきます。

日本での人気も高く、2006年には日本公演を記念して『ハヴ・ア・ナイス・デイ 〜ジャパン・ツアー・エディション』が限定発売されました。2010年には、『ハヴ・ア・ナイス・デイ+ライヴ・トラックス』もリリースされています。

アルバムには、TOYOTA「RAV4」のCMソングとして使用された「ハヴ・ア・ナイス・デイ」も収録されています。

『ハヴ・ア・ナイス・デイ』は、ボン・ジョヴィの音楽性の幅広さを示すとともに、彼らの新たなキャリアを切り開いた重要な作品と言えるでしょう。

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