ハ44 (エンジン)

ハ44航空機エンジンの概要

ハ44は、第二次世界大戦期に中島飛行機によって開発された空冷星型レシプロエンジンであり、陸軍においてはハ219と呼ばれていました。このエンジンは、陸海軍の統合名称としても知られています。日本の航空機技術が成熟する中で設計されたこのエンジンは、国産の優れた空冷エンジンの一つとして位置づけられています。

開発背景

初期の国産空冷エンジンである寿エンジンを基に、ハ44はそれを複列にして14気筒化したものです。この基礎技術をさらに進化させて、ハ44は18気筒の構成を持っています。1942年7月から試作が開始され、戦争が終わるまでに計23台が製造されました。特に、試作された高々度戦闘機であるキ87やキ94IIのエンジンとしても使用される予定でした。

主要諸元

ハ44は、その高性能を示す多くの特性を持っています。以下は、主な仕様の詳細です。

• - タイプ: 空冷星型18気筒
• - ボア×ストローク: 146 mm×160 mm
• - 排気量: 48.2 L
• - 全長: 2,110 mm
• - 直径: 1,280 mm
• - 乾燥重量: 1,150 kg
• - 圧縮比: 7.2
• - 過給機: 遠心式スーパーチャージャー（1段2速）

ハ44-12の性能

エンジンは、離昇馬力において最大2,450 hpを提供し、回転数は2,800 rpmで、さらにブーストを+550 mmHgで使用することが可能です。公称馬力は、次のような数値となります：

• - 高度2,700 mでの公称馬力: 2,300 hp / 2,700 rpm / ブースト+350 mmHg
• - 高度6,400 mでの公称馬力: 2,050 hp / 2,700 rpm / ブースト+350 mmHg

ハ44-12ル（ハ219ル）の性能

このモデルは過給機に排気タービンを装備しています。主な性能は以下の通りです：

• - 離昇馬力: 2,450 hp / 2,800 rpm
• - 公称馬力:

- 高度1,100 m: 2,350 hp / 2,700 rpm
- 高度4,400 m: 2,200 hp / 2,700 rpm
- 高度11,000 m: 2,040 hp / 2,700 rpm

まとめ

ハ44は、当時の航空機エンジンとしての技術的進歩を象徴しており、その詳細な性能が試作機において重要な役割を果たしました。このエンジンの歴史は、日本の航空技術の発展を物語っており、戦時中の航空機開発に関わる貴重な遺産となっています。今後もこの重要な技術についての研究が続くことが期待されます。

もう一度検索