バウバイザー

バウバイザー（Bow Visor）およびバウドア（Bow Door）について

バウバイザーとは、船舶の船首部分に設置される装置であり、ランプウェイを保護する役割を果たします。この装置は、主に上に跳ね上がるバイザードアと、左右に開く観音開き式やスライド式のサイドオープニングドアの2つに分類されます。バウバイザーは、船の出入り口を閉じたり開いたりする際に、波浪やその他の外的要因から船内を保護します。

このような装置は、これまでにおこった重大な海難事故の原因となる浸水のリスクを軽減するために開発されました。具体的には、波の影響でドアが脱落したり、人の操作ミスによってクローズが不完全な状態になることがあり、これが浸水を引き起こすことがあります。このような状況は、エストニア号やヘラルド・オブ・フリー・エンタープライズ号の沈没事故においても見られました。これらの事故は、バウバイザーの重要性を再認識させる出来事となったのです。

バウバイザーの設計には、通常、水密性を保持するための独立した内扉（インナードア）が組み合わせられています。この内扉は、外部からの水の侵入を防ぎつつ、船が衝突した際には隔壁としての役割を果たすことができます。インナードアはランプウェイの一部として組み込まれるデザインも可能であり、これにより新たな安全機能を持たせることができます。

このようなバウバイザーに関する規格は、1982年に国際船級協会連合によって初めて策定されました。その後、1994年にエストニア号の事故を受けて、1995年に改訂が行われ、内扉に関する新たな規格が追加されました。また、2003年と2010年にも改訂が実施され、装置の安全性や機能の向上が図られています。これにより、現代の船舶においては、バウバイザーが不可欠な装置となっているのです。

総じて、バウバイザーやバウドアは、船舶の安全運航を支える重要な構成要素であると言えます。その設置や運用には最新の技術と規則が適用され、乗員や貨物の安全を守るための配慮がなされています。今後も、この分野の技術革新が進むことで、さらに安全性が高まることが期待されます。

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